4348のburn-inのため暫く部屋で音楽が聴けなくなってしまったので、以前から中途半端で終わっていたD-55ESのチューニングを行う事にした。これはいうまでもなく天野さんの影響が大きい。というかアプローチ方法は正に天野さん式。瘋癲狼藉帖が私の教則本。チューニングメニューは次の通り。
| 1 | バッフル裏面テーパー加工 | 9月11日〜13日 | 半分終了→完了 |
| 2 | 空気室四隅曲面処理 | 9月14日〜16日→13日 | 完了 |
| 3 | SP端子の移動 | 9月17日→9月21日 | 天野式→完了 |
| 4 | 表面チークオイル塗り | 9月18日〜9月22日&10月 | ナンノ式に挑戦 9/15 1回目完了 |
| 5 | 表面研ぎ出し、磨きこみ | 9月23日&10月 | 9/15 1回目完了 |
初日の今日は1時間という枠の中でどこまでやれるか挑戦してみた。今日のメニューはユニットの取り付け穴の拡大。バッフル裏面を斜めにカットして、ユニット背面か放出される空気の流れをスムーズさせることが目的だ。結果はご覧の通り。片チャンネルの半分くらいまでできた。

床面に本体を倒す 重い ユニット外す時用いる小道具 ユニットの穴に釘の頭を差込み
天野さんから教えて頂いた 引き上げる。便利な小物だ

ユニットを取り外した様子 以前は四隅をこのように木工パテ 定在波をなくすためラウンド加工
を用いて曲面処理していた 今回はコルクシートで施工してみる

ユニット取り付け穴の拡大 かんなもどきやすりで調整 曲面なので作業は難しい
電鋸を使って45度に切り取る

とりあえず最下層の板との凸凹 用いた工具はこれだけ
がなくなるまで削り取った。
1時間でも結構作業はできるものだ。逆に時間を限定したから作業スピードが上がったのかもしれない。
こういう作業は面白いので、やりだすと止まらない。2〜3時間などあっとい間に過ぎてしまう。次回以降も
時間枠を決めて作業に取り掛かる予定だ。
引き続きバッフル裏面の拡張作業を行う。作業要領は昨日と同じなので、スムーズに作業が出来、今日で削りだし作業は完了した。


作業手順は昨日と同じ のこぎりの歯を45度傾けてカットし鑢で削る

作業完了後の様子 2本とも削って第1段の作業は完了した。作業に要した時間合計2時間
予定より1日早く終了した。

いきなりコルクシートをカットする前にYシャツの型崩れ防止用に付いている厚紙で、モデルを作り大きさを決めてみる。カット&トライで最終雛形を作り、コルクシートに寸法を書き込む。D-55の空気室は真中縦方向に補強用の桟が入っているため、同じ大きさのシートを2枚作る必要がある。最終的には150mmの正方形のシートを片チャンネル4枚使うことにした。

コルクシートの裏打ち補強のためブチルゴムテープを貼り、R面の裏側に貼り付ける。50mmの半分25mmにカットしてR面の頂点になる部分に貼る。コルクシートを貼る前に型合わせを行い調整する。

型を決めたらいよいよガムテープで貼り付ける。仮に貼り合わせが失敗しても、すぐに取り外して修正が出来るので作業的にはとても楽だ。この天野さんのアイデアは実作業を行ってみて初めて本当の真価が分かってきた。
またこのコルクシートは柔らかいので共振しにくく、空気室内部の調整には必須アイテムになる予感がする。

空気室の四隅全てにコルクシートを貼り付け、曲面処理する。コルクシートの厚み分だけ空気室の容量が減少するが、量はわずかなので、大勢に影響はないように思う。両チャンネル曲面処理をして、空気室の調整は終了した。
予定よりもかなり早いペースでチューニングは進行している。
空気室の曲面処理が終わったので、いよいよチューニングの最終仕上げ、エンクロージャーのオイルフィニッシュに挑戦してみた。

あいにく今にも雨が降りそうな曇天だったが、室内では塗装作業を行いたくないので、廊下に運び出し準備を始める。今回オイルフィニッシュに用いるオイルはチークオイル。オイル塗りこみの前に、本体表面を軽くサンドペーパー(#400番)がけしておく。開口部と背面は黒のつや消し塗装にする。あいにく黒のつや消しペイントがなかったので、また昔行ったベビーパウダー添加方式をやってみる。ハンズまで行けばつや消しペイントも手に入るが、時間がもったいないのと、見える部分ではないので手抜きした。

これがジョンソンから出ているベビーパウダー(¥250.)。塗料に混ぜる分量はいい加減。混ぜ合わせながら適当に量を調整する。この辺は勘。ローラーでよく混ぜていよいよ塗装開始。

一応マスキングテープを境界線に貼り付け他面への塗装の付着を防止する。本当は塗り面を平面に倒して行わなければいけないのだが、ここでも手抜き。塗料の若干のタレは目をつぶる。基本的にはローラー塗り、細かい所だけ刷毛を使った。

正面開口部はスプレーで塗装する。つや消しの黒を使った。1回吹付けではかなりムラになるので、時間を空けて2回スプレーする。下地処理が不完全(ボンドの拭き残し、いい加減なやすりがけ)だとモロにムラが出来る。

屋外で2時間以上乾燥させ、あいにくの雨のため部屋に運び込む。本体下にフッ素加工処理したスベリシートを咬ませると、移動が楽だ。一応これで背面と開口部のペイントは終了した。

いよいよオイルフィニッシュに挑戦する。
D-55のてんぷら仕上げである。
何かの本で読んだ。・・・ような気がする。オイルを加熱すると木部の内部奥深くまで浸透し、年数が経てば経つほど深みが増してくるとともに、木材の保護にもなると。そこで沸点まで加熱してみた。しばらく加熱していると白い湯気が勢いよく出始め、細かい泡がクツクツと立ち上がってきた。臭いも強烈。商品の注意書きには火気厳禁となっていたが、もちろん自己責任の範囲で無視。電気プレートなので引火の危険性は薄いと思う。ただ加熱により原料の亜麻仁油に化学変化がおきそうで少し心配だった。

はじめ刷毛で塗り込もうと思って油の中に少し入れてみたら、毛があっという間に溶けてしまった。そりゃ当然だ。100℃以上あるのだから。もちろんスポンジでもだめ。火傷しないように慎重にウエスに染み込ませ塗り込んでいく。
D-55のてんぷらの出来上がり。

本体全体に順じ塗り込んでいく。突き板はチーク材ではなくシナなので、オイルの塗り込みによる変色はそれほど大きくはない。本当はナンノさんの様に、ウオルナットの突き板し仕上げにしたかったが、材料の入手が困難だったのでシナ合板のままで諦めた。オイル加熱による木材表面の変化(反り、縮み)はなかった。

一回目の塗布が終わり、30分くらい待って一回目の研ぎ出しに入る。耐水ぺーぺー#300番手近辺を使う。
部屋中が臭くなっていた。本当は屋外で行う予定だったが、残念ながら雨が降ってきたので、急遽室内に持ち込んで作業した。はやる気持を抑えて、もう少し我慢し、明日以降天気のいい日に行えばよかったと、少し後悔した。もっとも明日も明後日もまとまった時間が取れないので、今日を逃すと当分このような時間のかかる作業は出来ない。いずれ臭いも無くなる(慣れてくる)だろう。
とりあえず今日は第一回目の研ぎ出しの途中で作業を切り上げた。
2回目のオイル塗り込みと研ぎ出しを行い、第一回目の表面処理を終わらせた。しばらく乾燥させた後、10月に入ってから第2回目のオイル塗り込み&研ぎ出しを行い、表面処理を完了させる予定だ。

作業面積が結構広いので、手作業だとかなりしんどい。平面はサンダーを使い、#600の耐水ペーパーで研ぎ出しを行う。熱油による木部の変色や損傷は見当たらなかった。実物は画像ほど黄色くはない。木目もこんなにはくっきりと浮き出てはいない。シナ材にチークオイルは相性がいまいちという感じだ。

第一回目の表面処理が完了。
画像で遠目にみると結構いい仕上がりのように見える。
ところが、実際は画像ほど綺麗ではない。広い平面は実際にもそこそこ綺麗だが、
周り縁や角は工作の粗、精度不足が油の染み込みによりモロに浮き出て、素人
にわか大工の拙劣さが浮き彫りになってしまった。
手をかけた割には結果不満足。周り縁だけでももう一度作り直そうかと思った。
でも、まあ売り物でもないし、そんな事に時間もかけていられないので、これでよしとしよう。
オイルがそこそこ乾燥する3ヶ月後位にもう一度オイル塗りこみと研ぎ出しを行い、表面処理は完了させる。、
9月16日
D-55に関われる時間が中途半端だったので、ターミナルの取り付けは延期し、気になっていた周り縁の補修を行った。

ターミナルの取り付け位置を確認 周り縁の補修 ユニット取り付け口の補修

久しぶりの好天でベランダにて天日干し オイル乾燥まであともう少し まだ匂いを発している
9月21日 チューニング完了

SP端子の取付I位置確認 穴は一つだけ開ける 開けた穴を塞ぐように接続端子を取り付ける

端子の穴にコードを通し、上から少し圧力 リングの取り付け ユニットを取付け状態
をかける 因みにコードは風雲 江川工房作
6N無方向性ケーブル
ユニットから直出しでアンプまで無接点

ホーン開口部のスロープにはジルコン ジルコンサンドの上に鉛を乗せる。 スロープには防音シートと吸音ウレタン
サンドをチャック式ビニール袋に入れた
物を敷く。

10日間に及ぶ補修・調整・チューニングの末ようやく
チューニングが完了したD−55ESの雄姿
D-55ESのセッティング風景

2003年1月9日現在の様子
D-55ESのエンクロージャーの表面処理はナンノさんのチークオイルフィニッシュを参考にさせて頂いた。そのナンノさんから「高音部にエネルギーが集中したときに共鳴音というか飽和状態の様な音になってしまう」が「天野さんのコルク対策ではこれらをある程度解決できますか」というお訊ねがあった。私のD-55ESは小編成のコンボでもまた、ビッグバンドやオーケストラでも特段に高音部での飽和状態は感じない。エージングは決して十分とはいえないが、コルク対策が功を奏しているのかもしれない。
感覚的な判断だけでは客観性に欠けるので、テクニクスのアナライザーで測定してみることにした。用いた機器はTechnicsのオーディオ フリケンシー アナライザーSH-8000。メーターを見ながら専用シートに手書きで測定結果を書き入れていくアナログライクなやり方だが、測定自体は信頼性が高い。何回か測定してみたが、毎回結果はほぼ同じなので、正確な特性が把握できたと思う。
![]() TechnicsSH-8000 |
![]() 出力した音を付属のコンデンサーマイクで拾い、メータを見ながらシートに結果を書き入れていく |
![]() 操作はアナログだが、結果は正確 |
![]() マイクを試聴位置の耳の高さになるよう三脚にしっかり固定する 100cm、 |
![]() |
![]() |
Technicsのオーディオ フリケンシー アナライザーSH-8000によるD-55ESの測定結果

低音は35Hz辺りから出始め一旦63Hz付近で落ち込む。250Hz近辺に固有の突き出しがある。
500Hz前後でディップし800〜1KHzで急に持ち上がる。高音部では4KHz前後に突き出しがある。
結構凸凹した特性結果だったが、試聴する限りでは高音部に共鳴音のような飽和状態は聴き取
れなかった。3回測定の平均値なので我がD-55ESの素姓が見えてきた。コルクシートでカット&
トライしながら今後出来るだけフラットな特性が出るように改善していきたい。イコライザー導入とい
手もある。