JBL4348鳴らし込みの記録  

2002年9月6日

いち早く4348を手に入れることができた。憧れ続けた43のモニターシリーズ。今この手にして感慨無量だ。これから先10年、48とともに音楽生活を楽しんでいこう。どんな道が待ち受けているか、天国かはたまた地獄か今からワクワクしている。

         JBL4348の受け入れ体制が整った。 後は到着を待つばかり。 さすがに大きく、そして重い。梱包資材を含めると100kg近くあると思う。搬入はピアノ専門の運送屋さんが行った。

.....
さすが普段からピアノ等重量物の運送を手がけているだけに、開封から設置まで素早くしかも慎重で丁寧だ。



とりあえず設置完了 

スピーカーはまずフローリングの床にタオックのサウンドクリエイトボードを敷き(厚さ50mm)、その上に同じくタオックの鋳鉄製防振用スピーカースタンドを置く(高さ200mm)。内振角度約10度。但しこれは仮セッティング。
ハーマンのKさんから、4348は150mmから200mm持ち上げて設置しないと床とボトムとの間で定在波が発生し音を濁らす。低域もブーミーになるので、最低でも150mm以上は持ち上げた方がいいとのアドバイスを受ける。今インシュレーターは弁慶スパイクの原点、弁慶スタンドのアレンジ形の導入を検討している。弁慶をシステムを導入するまでの間、高さと安定度を確保するため、タオックを仮に使用する。仮セッティングの段階でも音を追い込んでいきたい。空間にはカット&トライでフェルトやカーボンウールを適宜詰め込んでみる。
SPケーブルは、S3100で使っていたMITのターミネーター2(バイワイヤリングタイプ)。端末を綺麗に磨いて再使用。MITのこのタイプについてはS3100時代特に不満に感じた事はなかったので、そのまま継続して使用してみる。もし不満が出てくるようなら、MITの上級タイプかワイヤーワールドに交換していく予定。その際はバイワイヤータイプではなく、低域と高域を別々に接続してみる予定だ。
4348本体に付属していたジャンパー線。金具からしっかりとしたワイヤーに代わっていた。しかし今後このジャンパー線を使う予定はない。
ターミナル端子はしっかりとした大型タイプである。Yラグとの食い込みも良好で、しっかりと接続できる。
マッキンの背面。
電源コードは自作のS/A LABのハイエンドホース。SFチューブを装填する。セオリー通り、電源BOXは使わず壁コンセントから直接引っ張ってくる。
プリC42からのケーブルはTrannsparent Ultra XLR 3M を使用。以前試聴用に借りたものだが、我が家に居座りようやく陽の目を見る事が出来た。もっともその時点でプリとパワーを離して使う構想があったので、これは当初の計画通りのセッティングだ。

15インチウーハーの接写。エッジがペーパーやウレタンではなくラバー系になっている。10年以上使っても劣化は起きないようだ。
中高域ホーン。視聴位置(椅子に座って耳のた高さまで)から120cm以上も上にあるので、どんな聴こえ方がするのか少し不安である。
高域用ホーン。椅子に座ると丁度耳の高さの所に来る。上限が40Khzあるので、いわゆるスーパーツィーター的存在だ。これで以前のようにSTを追加することなく、SACDやアナログレコードの再生が可能となる。S3100時代のSTは他のシステムに流用しよう。
エンクロージャーはとても高級感がある。外装だけを見ていると高級家具のようなたたずまいで、スタジオモニター的な要素は見当たらない。これから10年定期的にワックスをかけ、大事に使っていこうと思わせる仕上あがりだ。隣りのADKのラックとも統一性が取れてなかなかいい具合だ。
4348から視聴位置までの距離。SPユニットからJUST3メートル。二アフィールドだが、JAZZ喫茶でかぶりつきの音を聴くようで、私好みの距離だ。これで音がばらばらに聴こえなければいいのだがと、音出しをするまでの一抹の不安を抱えてセット完了。
背面の壁との距離。約200mm。本当は500mmくらい欲しいのだが、欲を言ったらきりがない。これでスタートし後はカット&トライで調整していく。ただS9800などと異なり背面にバスレフポートがないだけ、背面との距離は余り神経質にならなくていいようだ。しかしながらこの距離だと低音のかぶりが今から気になる。
もともと10帖の部屋に4348を入れること自体が無理をしているのだから、覚悟の上でのセッティングだ。この限られた空間のなかで4348を最大限良く鳴らしていこうというのが長期10年プロジェクトのコンセプトなのだ。
側面の壁からの距離。左右とも800mm。向かって左側は割りと空間が作れたが、右側はラックを置いているので、少し苦しい。もっとも4面開放のラックなので音のこもりは比較的少ないと想像する。
JUST800mm。
ちなみにSP中心部間の距離は2メートル。上記画像のようにSPの間にラック等の物を置いていないので音響的にはいい方向だと思う。
これからバーン・インを始める。使用するソフトはShefield/XLOのTRACK8番。
今日は音出し確認と撮影の為、画像のような仮セッティングをしたが、すぐにエージング用にセットし直す。
まず片チャンネルのSPケーブルの極性を逆相に結線する。次にスピーカーのバッフル面同士を向き合わせて設置し、その上に毛布、布団を巻いて音を吸収させるという教則本通りのエージングだ。但し、4348はとても重い。90kgあるので、おいそれと移動する事ができない。サポーターを頼みたい所だが、ここは敢えて一人で苦労してみたい(何だか殉教者みたいになってきた)。

エージングについては各人色々なやり方があると思う。通常通りセッティングしてお気に入りのソフトを鳴らし込み、SPをその音に合うよう調教していく方法。実は時間があれば、だんだん変化する様子を確認しながら調整できるのでこの方法が一番いい。しかし平日はほとんど音楽を聴けないので、この方法だと私の場合は2〜3年もかかってしまう。また普段の視聴レベルの音(かなりの音量になる)を24時間出しっぱなしにすることは野中の一軒家でもなければ現実的に不可能だ。

そこで逆相接続バッフル向かい合せ方式だ。これなら比較的音量を出してもまわり近所に迷惑がかからない。24時間かなりの音を出したままにする事ができる。もっとも小型SPなら簡単だが、4348クラスになると移動だけでも大変だ。しかし敢えてこの方式を取り入れる。15インチウーハーのエージングには400時間くらいかかる。最低でも200時間は通常視聴レベルの音出しをしないと本来の音にならない(といわれている)。S3100の時も10日間(240時間)この逆相バッフル向き合せ方式を行い、いい結果が得られた。

使用ソフトは始めの1週間は上記バーン・インソフトを使用し、次の1週間はJAZZのお気に入りソフトで行う予定だ。

ファースト・インプレッション

上記セッティングで未バーン・インの状態だが、音を聴いてみた。一般家庭では最も早く4348の音が聴ける栄光にあやかれたのだから、バーン・インのため、いきなりバッフル向かい合わせでは何とも無粋で興ざめもいいところ。

視聴はWADIA850からマッキンC42を経由してMC352のラインで、私の定番Bill Evans Trio [Waltz For Debby]から聴き始めた。

音出しの第一印象は「無理のない等身大の音」が出ているなと感じた。音にリアリティがあり、目の前でエバンスがラファロが演奏している様が浮かんでくる。さすがに音のエネルギー感が違う。音量は低めでも腹に音の塊がずんずん響いてくる。

4ウエイを至近距離で聴くのだから、当初音のまとまり具合が心配だった。しかし低音から高音までバラつくことなくスムーズに繋がっている。音の定位はさすがプロフェッショナルモニターを謳っているだけピシッと決まっている。
小音量でも低域から高域までとてもバランスよく聴こえる。特に心配していた小音量時での低域の出方だが、音痩せすることなくしっかりと出ている。これは予想外の驚きであった。

全体的には昨日まで聴いていたS3100とはやはり格の違いを見せ付けられた。かなりの音量で鳴らしてみたが、今日のところは箱鳴りなど一切ない。逆に天井の蛍光灯のカバーが激しく共振し始めた。これから部屋との格闘が始まる。

しかし暫く聴いていると、少し低域がブーミーに感じる。これは無理もない。部屋とセッティングの関係だから当初の予定通り。前述したように、もともと五号枡に一升酒を注ぐようなものだから、オーバースペックは覚悟の上だ。この10帖という限られたスペースの中で、最大限4348をいい音で鳴らそうというのが今後10年の課題だから、始めから問題がなかったら拍子抜けしてしまう。

今日感じたこれからの課題
@ブーミー気味の低域のかぶりを無くして、芯のある力強い低域の再生
Aインシュレーターの交換によりSPのぐらつきを完全に無くする
Bスピーカー台の高さをを調整して中高音ホーンがもう少し低い位置になるように改善
C後ろの壁、横の壁との距離を調整してもう少しキレのある音にしていく
D部屋の共振対策と低音吸収のルームチューニング

と思いついた事を何点か(これから「北の国から」を見るので、今日はこの辺で)。 2002/9/6


9月8日 本格的バーン・インの開始

バーン・インのためのセッティングを行い、今日からおよそ300時間かけて初期エージングを始める。

  

一人作業のため慎重に作業を開始する。90sの重量は一人では持ち上げる事はできない。倒れでもしたら大怪我どころではすまないかもしれない。SP台の上に滑り止めシートを挟み込みSPとの密着性を高めた上で、SP台ごと前面のボードの上に滑らして移動する。フローリング床はワックスが塗ってあるので滑りやすいが、それでもこの重量物の移動は大変だ。一応ボードの下にはテフロン系のシートを挟んでおく。慎重にボードの上に載った4348を移動させ、向かい合わせにセットする。


  

ぴったりと向かい合せにする。キャビネット本体にキズや糊の跡が付くのを防ぐため、サランラップで隙間をぐるぐる巻きにする。30m巻きサランラップを1本使い切る。これは別にビニールでもいいと思う。要はガムテープの跡が本体に付かないようにするための養生用として考えている。

  

サランラップで隙間を塞いだあと、布ガムテープをその上に巻いていく。本体にガムテープが付かないように作業を進め、音漏れがしないようにラップの上を3重巻きくらいにする。


   

片方のスピーカーの端子だけ+−逆相にケーブルを繋ぐ。  本体に被せる毛布類

   

毛布を本体に上に被せる。今回は毛布を10枚ほど使った。丁度今の季節、我が家ではまだ毛布の出番がないので、押入れからありったけの毛布を持ってきた。本体下の部分にも毛布を折りたたんで挿入する。最後に床のカーペットを巻いて仕上げた。これで音を吸収する。因みにみ下記80のレベルでも音漏れは少なく、周期的に流れる高音部のウエーブが聴き取れる程度だ。低音部はほとんど聴こえない。これで両隣、下階に迷惑をかけることなく思う存分エージングができる。


   

アンプの出力は普段の視聴レベルより若干高め。普段はC42で70〜75のポジションで聴いているが、それより少し高い。80のレベルだとこの部屋ではややうるさく聴こえる。余り高くするとユニットを痛める恐れがあるので、このやや高めの音でバーン・インを始める。


  

これから前述のバーン・インソフトShefield/XLOのTRACK8番(12分)をリピートさせ、昼は80、夜間は60のレベルで1週間(168時間)音を出し続ける。次の1週間でJAZZのCDを鳴らし続け都合2週間336時間に渡る長期マラソンバーン・インがスタートした。輸入オーディオショーが始まった頃には我が家の4348は一皮向けた美音を奏でてくれるものと思う。正に果報は寝て待ての格言通りだ。
バーン・インが終わったらまた少しずつレビューしていこうと思う。


34j時間経過            60時間経過        84時間経過         100時間経過

      
 140時間経過         226時間経過         250時間経過
   


9月18日

専用ソフトでの240時間に及ぶマラソン&ハード バーン・インが終了した。今まで使用していたソフトは



こちらの情報は、古くはオーディオ・アクセサリー誌 74号(1994年)P161〜 
 最近では同じAA誌の別冊「電源&アクセサリー大全2002」 P219に若干の記載がある。

今日はPADのシステムエンハンサーを貸してもらったので、昼間10時間くらいこれを使用してみた。使用前と後の比較試聴は今のセッティングでは出来ないので、効果を確認することは出来なかった。いい方向へは変化すると思うし、使い方さえ誤らなければ悪い結果ににはならない。やってみるだけの価値はあると思う。難点は高いことだ。
そして定期的(月1回)に使い続けないと、効果が持続しないこと。私のような面倒くさがりやには向いていない。
いずれ持ち主に相談して何人かで持ち回りで使ってみたい。利用価値が高まる。

 

9月20日

インターナショナルオーディオショウで4348の音を聴いてくる。会場は満杯で、やはり43シリーズは多くの熱心なファンに支えられ、人気が衰えるどころか関心の的になっていることを再確認した。住宅事情もあってか、最近は中・小型のスピーカーが圧倒的に支持され、またメーカーもほとんど大型フロアースピーカーを開発していない。ましてホーンシステムを取り入れているスピーカーとなるとJBL他数社しかない現状で、4348はこだわりを持って伝統を受け継ぎながらも、今までの43シリーズとは明らかに異なる音造りをしているように思った。

会場に48のカットモデルが置いてあったが、写真で見るのとは異なり、実物の2mm線による空芯コイルは迫力があった。

 

                 
     デュアルボイスコイル採用の新開発250mmミッドバス JAZZの厚み、中低域の要を司る


9月21日  セッティング準備 SP台(シャフト弁慶)のセット

   
IronAAさんより「シャフト弁慶」が届く   箱を開けてまず目に飛び込んだのが    フランジを取り出す
3箱に分割 相当な重量だ         革の手袋 手垢が付かないようにとの   全部で14個ある
                         IronAAさんの気遣い。感激!


     

シャフトの全景 SUJ2(高炭素クロム軸受鋼)を無垢材    フランジにシャフトをはめ込んだ様子
から削りだし それを高周波焼入する 全て手作業       このフランジも特注品 直径140mmある
硬質クロムメッキの輝きが美しい                  安定感があり、転倒の心配はない
                                      表面を無電解ニッケル処理してある
                                       

   

          直径50mmのシャフト         製作誤差は0.02mm以下の為シャフトがぴったり入る
                                 ガタつきは皆無であった          


  
タオックボードの水平出し      ガタつきはアルミ箔を折り挿入      前3本後ろ2本ずつ計7本のシャフト
わずかに傾きがある         IronAAさんのアドバイスによりフェルト 
                      に替えてこのアルミ箔でガタつきを矯
                      正した 素材との密着度が増す

     
ガラス板を載せて水平を計る  併せて設置イメージ       足で踏みながらガタつきをチェック
を想像する

     
一箇所シャフトがわずかに回る つまり荷重がかかっていない この部分にアルミ箔を折り曲げて入れ、均一に重量がかかるようにする これはテスト 実際には本体の乗せてから調整する

           
                           シャフトの高さは170mm

9月23日 「シャフト弁慶」のセッティング2


慎重に本体をシャフトの上に移動させる

シャフトと本体との密着具合              

ガタつきはほとんどない。わずかにシャフトが回る部分はアルミホイルのアルミ箔を挿み込む。この調整の仕方はIronAAさんからのアドバイスだ

本体天板に水準器を置き、水平度を確認。ボード敷いたとき調整済みなので、ほとんど無調整。水平度は問題ない。      

アルミ箔を挿み込んだ様子。はみ出たアルミ箔は丁寧に取り除く


調整は車用のジャッキを使い、本体をわずかに持ち上げてシャフトの隙間にアルミ箔を挿入する。                  

最後にフランジとシャフトを固定させセッティング完了

セッティング完了の様子。          


セッティング完了


9月27日 ミッドバスユニットの取り外し

思うところがあって出色のミッドバスユニットを取り外してみた。今回の43シリーズのリファインの要は新開発のこのミッドバスユニットとユニットのインライン配置にあると思われる。先日のオーディオショーでミッドバスのカットモデルを見て来た。ユニットを取り出して自分の目で見てみた所でどうということはないのだが、気になった。気になることはさっさと片付けてしまうのが私流。あのバックスタイル、FE208ESその他のユニットに応用できないものかと。

内部の様子
     

板厚の寸法
ミッドバスの取付バッフル板の厚さは20mm 奥は25mm それに比べてウーハーの方はは倍以上の44mmあった。
     


内部配線材はJBLのオリジナル かなり柔らかい。撚線一本一本に銀コートを施しているように見える。
真偽は不明。後日ゆっくり調べてみる。
    

  
ユニット外観 端子はプッシュ式で簡単にケーブルが取り外せる。
デユアルギャップ・デュアルボイスコイル構造は外観からは勿論分からない。
    


ジェットエンジンのターボフィンのようなうしろ姿。これも低歪、高S/N比に貢献しているのであろうか。
割りと容量の少ない(ミッドバスだけ独立したエンクロージャーになっている)BOX内の定在波の発生を防いでいることは想像できる。つぶさに観察してみた。
                   


10月1・2日  ルームチューニングに挑戦 @

バーン・インの際使ったフェルトでルームチューニンググッズを作ってみた。特別な事ではない。ただフェルトをぐるぐる巻い他だけの事 ただ表面を小奇麗に化粧したので、少しは見栄えがいい。

    
ワンロール20mある。高さ90cm   カーテン屋さんで貰ってきたダンボールの芯 90cmにカットする                        
   
芯材にボンドを塗り、メージャーで長さを計りながらぐるぐる巻いていく 12回巻き、直径30cmで1本仕上げる

   
同じ要領でもう1本巻き上げる サランネット用のジャージ生地を表面に巻き付けて化粧する i色は43シリーズのイメージカラーのブルー

   
タイトボンド塗り半乾きするまで少し待つ ステープラーを打ち付けて生地を固定させる  ガムテープで補強する


   

1本完成 全く同じ要領でもう1本造り 2本の手製ミニチューブトラップが完成 遠目に見るとそれなりに見える
これを48の後ろ 壁のコーナーに設置して低音の改善を行なう


ルームチューニングに挑戦A

     
48本体に付属しているサランネットを取り外し、裏にカットしたフェルトを4枚ほど押し込む  周りをガムテープで押さえて簡易吸音材の出来上がり  当初天井に吊るそうと思ったが、厚さが50mm以上になり、重量も思った以上にあるので、万が一の落下の危険を考えて、取りやめた  そのままスピーカーの真裏に置く事にした すっぽりと隠れてしまうので見苦しさはない


    
フェルトを60cm幅にカットした物を折り曲げて、48本体の下に放り込む 床と本体との間で発生する定在波を回避させるために置く 


    
以前D-55の内部処理に使っていたネッケンのカーボンハットをフェルトの上に置く 


    
ぼろ隠しに48のホーン部のサランネットを被せる 取り付けの穴の位置がぴったり合うので外れる事はない
最後に余ったフェルトを床に敷き、その上に段通(といっても薄手の安物だが)を乗せる

             
                     フェルトを使用したルームチューニングの完成模様


2003年1月19日

Technicsのオーディオ フリケンシー アナライザーSH-8000による音場測定結果

長岡式D-55ESに続き、4348の音場測定を行なってみた。日記にも書いた通り100Hz以降の周波数ではそれほど凸凹はなかったが、100Hzまでの低域では壁や床からの輻射や定在波の影響で左右のSPでかなり凸凹が目立った。これを改善するには手製の吸音材処理ではなく、例えばASCのチューブ・トラップ等を導入して低域の暴れを無くするか、イコライザーで積極的な音作りをしなければいけない。

今は共に即実行という訳にはいかないので、壁からの距離を調整したりフェルトの吸音材の位置を変えたり、もう少し試行錯誤してみようと思う。  

   



2003年2月1日

ローゼンクランツの貝崎さんがお見えになり、JBL4348の音を聴いて頂いた。JAZZのレコードを中心に暫く聴き込まれたあと、おもむろに各ユニットのアッテネーターを調整し始めた。ユニットに耳を近づけまた試聴位置に戻りの繰り返しで結構長い間レベルをこまめに調整しながらバランスを取られていた。私の調整と比べ全体的にレベルは下げ気味であった。特にMIDはかなりレベルが下げられた。以下の画像が貝崎さん流のお薦めパターンである。

  

次は「シャフト弁慶」の調整。9月以降何回かガタツキのチェックをしていたが、例のアルミ箔の挿入で現状では7本のシャフトに全て負荷がかかっている。どのシャフトも回転しない。物体を支えるとき支点は3点が一番安定する。しかし重量物や大物では3点支持は転倒が心配だ。逆に支点が増えると微妙にガタが発生してくる。まして7本もあると普通の状態では2〜3本に負荷がかからない、つまり実際には支えにならないことになってしまう。

ところがこのアルミ箔の挿入はこのガタを完全になくしてくれる優れた調整方法だ。調整は正直言って大変ではある。90kgもある重量物をおいそれと持ち上げる訳にはいかない。そこで用いたのが車のパンク修理用のジャッキだ。これを底板に挟みクランクでまわしてやるといとも簡単に4348が持ち上がる。わずかにできた隙間に一枚一枚アルミ箔を入れては又下ろす。この繰り返しは結構しんどい。時間もかかるし、1本が安定しても残りの何本かを調整するとまた少しシャフトが回転する。いたちごっこの繰り返しで、「シャフト弁慶」のセッティングはこのガタつきをなくすのが最大の難所だ。こうした苦労を重ねて現状は全くガタのない完璧なセッティングになっている。

貝崎さんのアプローチは全く別の視点から行われた。「振動が物体に伝わるときの流れを整理する」と私は理解した。そうではないかもしれない。しかしそれ以上のことは私の頭では理解できない。貝崎さんは例えとして、こんな例を挙げて説明されていた。

ビーカーに泥水を入れてかき回し、暫く放置しておくと比重の重い物質から沈んでいく。やがて水と不純物質が完全に遊離し水は澄んでくる。いったん熔解した金属が冷えて固まるときも原理は同じで、同物質でも比重の重たい物が重力によって下に(地球の中心に向かって)集まる。分子レベルでは物質の構成も万有引力の法則に則っている。その結合の方向性を探り出し、一定の方向に向けて設置すると振動の伝わり方(波動)も整理される。結果的に音が良くなる、とおっしゃる。

  
この先は貝崎さんの独自の理論と修行の力によるものなので、私の頭では理解不能の分野になる。貝崎さんはやおらシャフト弁慶を1本取り出し、両手で暫くの間くるくる回しておられた。暫くの間シャフトを回してから、何か体に伝わって来るものがあったのか、シャフトに印しを付けられた。この印しの方向に物体が分子のレベルで整列しているとの事である。シャフトごとにこれを1本1本探り出し、全て同じ方向になる様に向きを決めてセッティングし直した。

  

方向性を整えられたシャフト弁慶を再セッティングして試聴する。「どうです音が変わったでしょう?」と貝崎さんに言われたが、正直なところ変化の度合いは私の耳に分からなかった。かなりの長時間にわたって方向性を探り出して頂いたが、申し訳ないことだが、私の駄耳にはその音の変化が聴き取れなかった。変わったと言われれば変わったのかもしれない。しかしここで、いい加減に「ハイ」と言うほど自分は不誠実な人間だとは思っていない。分からないものは分からない。

そこで第三弾、ローゼンクランツの最高級品ジャズ専用インシュレーター「PB-BIG JAZZ」の登場である。この「PB-BIG JAZZ」の性能、開発についてはローゼンクランツのHPを参照して頂きたい。とにかく貝崎さんの理論の集大成がこのインシュレーターである。

  

これをシャフト弁慶の上に乗せる。IronAAさんが知ったら激怒されるに違いない。IronAAさんの主張は「スピーカーの設置は単純でなければならない」という。床のボードもできれば使わず、まして今回のような挿み物は言語道断、百害あって一利なしとおっしゃる。現に私もIronAAさんにシャフトの上に「極義経」を置きたいと相談した所、即断で止めなさいと言われた。スピーカーが不安定になるばかりかガタつきの原因にもなる。

シャフト弁慶は単独使用を前提に開発されたものである。そのコンセプトは一切のガタつきを無くす事、動かざる事山のごとし である。7本のシャフトで本体をがっちり支え、スピーカーを楽器のごとく鳴らす。とてつもないエネルギーの塊である振動をコントロールするなどということは、始めから想定していない。貝崎さんとはある意味で対極の世界である。

OTKさんから有難い示唆を頂いた。ガタつきは究極の3点支持で行なえば皆無となる。スピーカーの不安定さ、転倒防止は既存のシャフト弁慶を保険代わりに使えば回避できる。ものは試しだ。音が悪くなったり、スピーカーが不安定になるようだったら元に戻せばいい それだけの事だ。

前2つ、後ろ1つのシャフトの上に「PB-BIG JAZZ」が置かれた。ウーハーの直下だから本来は前一つの方がいいと思ったが、このセッティングは貝崎さんが試聴の結果決められた事だ。これも音が悪けりゃ変えればいい。残り4本のシャフトは高さを調整してスピーカーの底板に紙1枚の隙間を空けて設置した。手で回すとくるくると回る、つまりスピーカとは接地しておらず負荷がかかっていない。これで万が一シャフトの上のPB-BIGがずれたり外れても、残りの6本が支えてくれる。地震で3つのPB-BIGが外れても残りの4本に負荷がかかりしっかりと支えて転倒を防止してくれる...はずだ。設置後4348は押しても引いても微動だにしない。90kgの巨体は3本のシャフト弁慶とPB-BIGによって現状では完璧に支えられている。不安が少し消えた。

  

紙一重の隙間で残り4本のシャフトは4348とは接していない 

こうもり男のようだが、これが何のしがらみも無い自由人の最大の強みなのだ。思考と行動に自ら制限や束縛をしない。自己責任がしっかり取れる範囲で、かつ他人に迷惑をかけなければ何をやってもよい。たかが趣味の世界だ。それなりの勉強もするが、理論や理屈よりも出てきた音で判断する。回り道を歩む事も多いが、まず実践してみる。それが楽しいのだからしょうがない。まさにそれだからこそ趣味なのだ。

好奇心と条件が揃えば、可能な限り何でも試して自分の耳で確認してみる、これがわたし流だ。過程を楽しみ、それで好みのいい音に近づけられればこんなありがたことはない。仮にうまく行かなくてもそこでの経験は次に繋がる。だから絶対的な失敗などというものはない。正に「見る前に翔べ」 信じるものは自分の耳だけ。その耳で心地よさが得られなければ何の意味もない。ケーブルやコードの聴き比べもかつてかなり経験させてもらった。見えてきたことは沢山あったが、それで失敗したと思ったことはない。幸い電線病やショップの鴨ネギ男にもならずに済んだ。

この状態で暫く聴き込んでみる。想像してみると、4348の底板が激しく振動し、それを山のごとしのシャフト弁慶に乗ったPB-BIGがしっかりと受け止め、振動を整理して美しい響きへとトランスしてくれる・・・予定だ。セッティングには若干不安な所もある。90kgの重量を3点支持、しかもピンポイント受けだ。阪神大震災並みの地震が来たらまちがいなく転倒するだろう。それと7本支持ならまだしも3点支持だと底板の強度が心配だ。

シャフト弁慶とPB-BIG、真っ向から対立するこの組み合わせ、果たしてJBL4348を私好みの音にしてくれるだろうか?ロングラン・マラソン・モニターがこれから始まる。


2003年3月13日

地震のお陰で音質評価を書く前につい日記帳にローゼンクランツのインシュレーター画像を載せてしまった。シャフト弁慶との併用で音はどう変わったのか。この一ヶ月近く自分なりに聴き込んで、ある程度の方向性が見えてきた。そこで再度自分の感覚と計測データーの結果を比べてみる事にした。尚、計測は正確性を期するため各チャネル3回実施しその平均値をデーターシートにまとめた。

  

計測はSH-8000 計測マイクは試聴位置 座った時の耳の高さ90cmに三脚で固定

  

  

「PB-BIG JAZZ」を咬ませた事で床からスピーカーが約40o持ち上がった。スーパーツイーターの位置が耳の高さになるようシャフト弁慶の高さを170oにカットしてもらったが、果たして40o持ち上がったこと(=床から底板まで210o)、インシュレーターを挿んだ事、各ユニットのレベル調整を行なった事、これらが計測上どの様な数値となって現れてくるか、興味のあるところであった。

結果は表の通り。左チャンネル40Hzから63Hzの山はレベル調整の為か前回よりも心持ち下がっている。しかし相変わらず40〜60Hz辺りでは低音が出すぎている。右チャンネルも前回よりいくらか下がって入るものの80Hz付近に大きな山がある。インシュレーターだけでは低域の改善(膨らみすぎや音のかぶり)には繋がっていない事が数値上は明らかになった。部屋の影響、後壁・横壁からの距離等の問題が大きい。

しかし100Hz以降は割りとなだらかでフラットな再生をしている。この部分がインシュレーター効果なのだろうか。レベル調整したことも関係あるだろう。一概には何とも言えない。

聴感上の感想は今暫く、何しろ聴き込むたびに少しずつ変化しているで、早急な結論が出せないでいる。

一つ事実を発見した。スーパーツイーターの位置、始め耳の高さ900oになるように、シャフト弁慶の高さを拘りを持って決定した。今回40o持ち上がった。二アフィールド環境の約3mしか離れていない試聴位置だが、聴感上全く音の変化・違和感を感じなかった。ツイーターの上下の指向性が何度かは分からないが、3m離れた地点での高さ40oのずれは100%カバーしている。決して頭の上をシンバルの音色が通り抜けるなんていうことは無かった。計測上も高域特性にほとんど変化はなかった。