
8/13 午前中仕事の段取りをやりくりして、午後から所沢の天野邸を訪問する。
「AMANO'S超・究極のBH」の作者で、セパラブル超・究極のBHを製作された天野さんのお宅である。2階のリスニングルームに案内された時、ヴィヴァルディの四季が心地よく流れていた。音量は低めであったが、バイオリンの響きが艶やかで実に美音であった。とりあえずは何曲か耳慣らしに聴かせて頂いた。内田光子のピアノ、バールタのパイプオルガンetc.
天野さんのBHの音の第一印象を簡単にまとめてみた。
@BHとは思えないほど音場感が豊か 空気感も出ており、音がSPユニットの周りにへばりつくことなく、ユニットを中心に放射線状に広がっている。音離れがいい。
A高音と低音のバランスが見事に取れており、歪み感がなく耳障りな付帯音が出ていない。
Bこれ見よがしのはったり的な音ではなく、高品位でさわやかな音 しかしながら低域の馬力も併せ持った静かな紳士という印象だ。
B部屋(14帖の広々としたリスニングルーム)とのバランスが取れており、大音量、超低域の再生でも共振が無い。
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部屋といえば、オーディオルーム専用に設計されており、2重ガラスによる防音は勿論のこと、なんと至るところに電源コンセントがあった。ざっと見たところシステムが置いてある壁側だけでも6つはあった。しかもそのうち二つは配電盤からの独立配線である。また、フローリングは25cm間隔の鉄根太の上に敷かれ、その床下には建築当初からSPケーブルを這わせており、将来の5.1用に背面にいつでもSPが設置できるような隠し技も見せてもらった。 |
さて耳慣らしを終え、いよいよBHで初の25Hz再生を初体験させて頂く。試聴ソフトはまずチェックCD。
下は20Hzから上は20KHzまでの音源が入っているソフトだ。先日同じソフトで自室のD-55ESを鳴らした際は35Hzくらいが限界で、25Hzは残念ながらほとんど出すことはできなかった。
ところがである。天野さんのs-ultraは朗々と25Hzの音(もはや音ではない、空気の塊というか空気の波)がおしよせて来るではないか。体にずーんずーんと音圧がぶつかって来る。サブウーハー並みの重低音だ。20cmユニット1発でこの超低域を出せる所がすごい。正に超・究極のBHの超たるゆえんを垣間見た。これはすごい!勿論30Hzや40Hzは難なく再生している。その中で30Hzの音が一番パワー感があり音量も豊かだったので、何か特別のチューニングを施されたのか訊ねてみたが、そうではないらしい。確かに30Hz以下の音を出すサブウーハーはざらにあるが、20cm一発という所がポイントだ。
次に音楽ソフトでの試聴。「トリニティ・セッション/カウボーイ・ジャンキーズ」という超低域の入ったソフトを聞かせて頂く。このソフトはかの長岡先生が次のようなコメントを残している。
| トリニティ教会でのワンポイント録音。板張りの床が25〜35Hzで共振する。足でリズムをとっているために超低音が出ている。一種の演奏ノイズなのだが、巨大コントラバスドラムの感じで独特の雰囲気を盛り上げる。これが再生できるかできないかで音の雰囲気は一変する。オルガンのような持続音ではなく超低域パルスなので再生は極めて困難である。超低音のテストはこのCD1枚あればOKだ。 |

普通のスピーカーでは再生が不可能といわれているこのソフト、s-ultraはドッ ドッという空気の塊を見事に再生してみせた。不定期に一瞬一瞬地を這うような重低音が押し寄せてくる。しかもこの超低域は他の音域に影響(いわゆるかぶり)を与えることなく、ボーカルもクリアーに聴こえる。よく低域が強調されると全体の音も曇りがちになり、特に中域が引っ込んで聴こえることがあるが、天野さんのs-ultraはその点でも音の解像度が極めて高い。
試聴位置はSPからおよそ3.5mくらい。直接音とホーンロードからの間接音が絶妙なバランスでミックスされ、音のばらつきや不自然さは全く無い。自室ではせいぜい2.5mくらいの距離だが、BHはある程度離れて聴いた方が音のリアリティが得られる事が分かった。やはり部屋の影響は大きい。
超低域チェックを一通り終え、私の持参ソフトを次々と聴かせて頂いた。どれも自室でのBHとは音の雰囲気が違う。まるでサブウーハーを導入したように超低域の下支えの上にピラミッド型に音が出てくるので、全体として芯のあるどっしりした音であるが、BH特有のハイスピード感も加わった魅力的な音であった。タイタニックのサントラ盤(よくサブウーハーのクオリティチェックに用いられる意地悪ソフトだが)も持参したが、一曲目の超低域(海上の風の音)も見事に再生されていた。脱帽!
s-ultraの再生チェックを終えて、今度は超・究極のBHについてレクチャーを受ける。
| 音道・空気室の調整用に用いられた木片。音を確認しながら試行錯誤を重ね、ようやく今の音になったとのこと。その細かな調整の歴史をこの木片が物語っている。 | |
| トップのユニットを外したところ。このs-ultraは天野さんのHPに詳細があるように、3つの筐体が全てセパレート構造で容易に取り外しができる。細かな調整が可能な所がs-ultraの最大の特徴だ。一体型のBHは一旦作ってしまう音道の調整は事実上不可能だが、このように解体して手を加えながら音を追い込んでいけるので、自分好みの音を作り上げていく事ができる。自作派には嬉しい限りだ。 | |
| これは真ん中のユニット。底にコルクボードで作った音道調整板がガムテープで貼り付けてあった。ここにも試行錯誤の歴史が見受けられる。 たった一枚の薄いコルク板一つで音ががらっと変わるとのこと。いやー正に達人の技を見せて頂いた。この辺のところに興味がある方は是非天野さんのHPをご覧下さい。 |
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| トップのユニットを取り外しているところ。 何度も取っては着け、着けては取りを繰り返しているので、さすがに手馴れている。あっという間に取り外して、空気室の調整跡を見せてもらった。 |
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| 内部配線の取り付け方のレクチャーを受ける。 内部配線はユニットからと天板端子からとの線を途中で圧着して結んでいる。 ユニットの強烈な磁力で半田ごてでの作業が少しでも楽になり、コーン等を痛めない為の工夫だ。これは早速私もやってみようと思う。 |
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| 第一空気室の内部の四隅に、ここでもコルク板で作った調整板が貼り付けてある。この技は私も真似してみよう。D-55はただでさえ第一空気室が狭く音の抜けにストレスがかかるので、この緩衝板は必需品かもしれない。 | |
| ユニットの再着装。手馴れたものであっという間に取り付けてしまわれた。私のサポートなど全く必要なかった。 |
天野さんのリスニングルームの詳細
システム全景 第1号機から現3号機までが整然と鎮座Iしている。 天野さん、自分の子供のようにかわいくてしょうがないのでしょうね。 |
自作の高剛性鉄板とガーデニングブロックによる自作のラック ちょっとやそっとではびくともしない |
現役を退いた目玉オヤジ スワンとの出会いが今日の超・究極のBHに繋がっているとのこと メモリアル永久保存SPだ |
現用機器類 メインアンプはサンスイ AU-α907iMOS LIMITED |
天板端子とSTの様子 端子を天板に持って来たこまかな経緯は天野さんのHPを参照のこと |
ユニットの空箱 PCのハード類 |
以上8月13日訪問記第一弾終了
天野さん暑い中での送り迎え、そしてBHの試聴ありがとうございました。