ModWrightによるLevelU改造後のP-3Aの試聴

-第一弾-
2002/ 8月10日試聴

P-3AをAIRY経由でModWrightによるLevel2の改造を行った。初回の試聴結果をまとめてみた。

試聴システム

機 器 機      種
アンプ @ GOLDMUND MIMESIS√SR STREO
GOLDMUND MIMESIS√SR MONO
     A SATRI PRE-7610
SATRI AMP-7511M×2
CDP  @ ZIA NEW FUSION64
      A WADIA 850
     B CEC TL5100Z クロック交換機
スピーカー@ Audiophysic Brilon1.0
       A Fousaudio MOREL68
電源ケーブル キャメロットテクノロジー PM500&S/ALab
DAC CambridgeAudio DACMAGIC2 MkU

試聴ソフト

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  松居慶子/ザ・リング  ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集    XRCD盤          ノーマルCD

機器のセッティングの前提としてとして@強化電源P1 A強化電源を115Vに昇圧 B電源ケーブルの交換=S/Aラボケーブルで自作 を用いた。

    
この強化電源は一時100V対応しておらず、P-1Aのロックが掛かり難いと騒がれた事があった。以前110V〜120Vの昇圧トランスを用いた時、強化電源がダウンしてしまった事がある。今回容量の低い(300VA)115V昇圧トランスを用いて再度昇圧してみた。ところが、やっぱり数十分で強化電源本体はダウンしてしまった。私の強化電源はきちんと日本仕様向けに100V対応が行われているのか、自宅の電源自体が常に100Vを維持しているのか不明だが昇圧の必要はないばかりか、トラブルの元だということを再度確認した。デジタルテスターでチェックすればよいだけのことだが、丸一昼夜電源ONで異常はなく、P-1A&P-3Aもきちんとロックしている。恐らく日本へ輸出された数ロットが100V仕様でなかったため、物議をかもし出したのではないだろうか。


 
電源ケーブルは自作した。このケーブルの交換は効果が有るといわれている。私の耳には明確な違いを聴き分けることはできなかった。?であるが、付属のケーブルよりはいいことは間違いない。ただし、S/Aラボのケーブルは堅すぎて実用性に欠ける。プラグにかなりのストレスがかかっているので、次回はもう少し柔らかいケーブルで作ってみることにする。


私の強化電源には昇圧トランスは不要である事が2度実験で判明した。ノーマルで正常作動する。
昇圧は機器のトラブルを招いた。

CDPは前回P-1Aの比較試聴の際トランスポートとして一番印象が良かったWADIA850から始める。WADIAのアナログ出力とデジタル出力→P-1A&P-3Aとを交互に切り替えながら試聴する。正直なところ改造前のP-3Aの音を良く覚えていない。改造の効果を確認するには、本来ノーマル機と改造機を比較しなければならないが、記憶音だけに頼ったので極めて曖昧で心象的な試聴になってしまった。もっぱらWADIA単体との比較となった。プリのセレクターで同じフレーズを行ったり来たり瞬時に切り替えることができる。パワーアンプ、SP以下は全く同じシステム。


改造後のP-3A ファーストインプレッション  → 音の密度が高い しかもベールが剥がれた瑞々しい音 
これは駄耳の私にも一聴して違いが分かる。「わー、こりゃ凄いなー」と思った。電源ケーブルやコードの交換などの末節的なチューニングなど足元にも及ばない効果だ。これが最初の出だしの音を聴いた印象だ。まだ改造後十分なバーン・イン(高々30時間くらいの通電のみ)はしていないのにこの音だ。この先どうなるのだろう。

松居慶子/ザ.リングで試聴 
最近良く聴くソフト 単なる癒し系の無内容なヒーリング・ミュージックとは違い、聴き流す事にためらいを感じる情緒的、叙事詩的、音楽性豊かなアルバムだ。

全般的に音の解像度がWADIAより高い。音の厚み奥行きもも増えている。なめらかさが増して情報量が豊かである。ピアノのタッチが明瞭で、立ち上がりの音が鋭い。聴き方によっては疲れるくらいハイスピードな音である。ボトムエンドの下支えがしっかりしており、ピアニシモの消え行く余韻が美しい。

何かModWrightの回し者のような、歯の浮いたおべんちゃらみたいだが、まこと良いことずくめである。この改造後のP-3Aの音をWADIA単体と比較すると、巷でよく使われる表現だが、正に「ベールが1枚も2枚も剥がされた」ようなクリアーな音である。WADIA単体の時に若干感じたピアノの高音部にへばりつくモヤのようなものが剥がれて、澄み渡った清々しい音である。DACにこれ以上の音があるとすれば、もうご馳走様といいたくなる。私のお気に入りのZIAとは異なる音作りだが、よりHiFi的(原音忠実再生型?)で、クリスタル(なんのこっちゃ?)。だが、決して音に温かみが無いという事ではない。ちょっと興奮気味なので、時間の経過とともにもう少し冷静な判断ができるかもしれないが、今は舞い上がっている。

ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集で試聴
今までWADIA単体の音に満足していたが、P-3Aを咬ますともう外すことができなくなってしまう。WADIAの中域の厚みには惚れていたが、P-3Aを通すと更に厚みと密度が増してくる。ピッコロ・チェロのふくよかな中域が、よりリアルさを増し倍音とおぼしき音にならない余韻が漂っている。楽器一つ一つの音のクリアーさが増すこともさることながら全体としてやはり音に厚みが加わる。

ビル・エバンス ポートレイト・イン・ジャズ 2曲目 定番の「枯葉」で試聴
まず、P-3Aを通すとXRCDとノーマルCDとの違いをはっきりと聴き分けることが出来る。もちろんWADIA単体でもソースの違いは十分表現できるが、更に上をいく。これはP-1Aのアップサンプリングとの相乗効果かもしれない。

XRCD盤で分析的に聴くと、まずポール・モチアンのシンバル。バックでのシャカシャカ音が力強さを増し音が前に出てくる。ハイハットなりシンバル音のみに集中して聴いていると、全体の音に埋もれることなく、明瞭さが増している。エバンスのピアノも録音のせいか以前は時たまエレキピアノのような歪み音が耳についたことがあったが、これもモヤが取れたような瑞々しい音になっている。ラファロのベースも輪郭がはっきりとし、WADIA単体以上に厚みが増している。3曲目「枯葉」のモノラル録音のラファロの出だしの音。ステレオ版では聴けないテンポゆっくりブーン.ブンブン..ブン♪♪と指で弦を弾く音に力強さが加わって聴こえる。
たまらないなぁー。これは改造大正解。改造前の音は忘れてしまったが、とにかくこのような感激が無かったのは覚えている。それだけ今のP-3Aの音はいい。
全体的には各楽器のポジション、音源の移動が明確さを増し、切れ込みの良いシャープさが目立つ。やはり安直な表現Iなってしまうが、解像度が向上している、という言い回しがぴったりだ。

今回はWADIA単体との比較で終りにした。インタコを差し替えればすぐにZIAとの比較も出来たが、そのあと余りにもP-3Aの音がいいので、比較試聴を投げ出しP-3Aでずーっとお気に入りのソフトを聴いてしまった。自分自身で素晴らし音だと感動しており、その感動が冷めぬ間に音楽を楽しみたかった。システムはいい音を聴くための道具であるし、私はもともと音楽そのものが好きなので、いい音だと思えたら出来るだけその美音に囲まれていたい。

 前述したように、今は完全にハイになっている。興奮状態でいささか冷静さを失っているのは自分でも良く分かる。ましてエージングも終えていない段階でこんな調子だ。という訳でZIAとの比較はもう少し間を空けて次の機会に持ち越したい。ZIAの音が悪く聴こえたらどうしようと不安なのである。悪く聴こえないまでも、粗が目立ったらイヤだなという心境だ。


因みに今回AIRY経由で改造を依頼したが、これは正解だった。改造に要した日数はアメリカからの往復の輸送を含めて、アナウンス通りほぼ40日、何よりも途中での連絡が細やかであり、安心して待っていられた。金額的にも様々なリスクを考えると良心的で十分納得が出来る。特に私のように英語が苦手で、海外サイトとの直接取引きを躊躇していた人間にはありがたかった。


番外編 -余興-

お遊びでCambridgeAudioのDACMAGIC2Mk2と比較して聴いてみた。デジタルの技術の進歩、時代の流れを目の当たりに感じさせられた。DACMAGIC2には申し訳ないことをしたが、やはりちょっと勝負にならない。単体だけで聴いている分には、マジック2もそこそこの実力機で、バランス出力も備えており廉価版のDACとしては優秀だと思う。今でも最新のミニコンポ等に接続しても格段に音が良くなる。しかしP-3Aとの瞬間切り替えで音を確認すると、解像度・透明感・空気感・音の厚み・密度・奥行感等あらゆる面で分が悪い。デジタル技術は加速度的に進歩していると感じさせられた。

-第二弾-
8月11日試聴

 ZIAのDACとの比較試聴はさて置き、手元にSACDとCDのハイブリッド盤のソストがあったので、この際SACDとの比較をしてみようと思い立った。理論上、情報量もデジタル処理も各段に優れているSACDとの比較ならば、どちらがよく聴こえてもともに喜ばしいので失うものなど何もない。気楽な気持で試聴を始めた。

試聴システム

機 器 機 種
SACD SONY SCD-1
パワーアンプ Lo-D HMA-9500MkU
プリアンプ AUREX SB−Λ88U
スピーカー D-55ES+ST JA-0506

試聴ソフト

           
AUDIO LAB RECORD発売のハイブリッドディスク 1枚でSACDとノーマルCDの両方が楽しめる。比較試聴にはもってこいのソフト。
洒落っ気を込めてSIDE by SIDE3部作で試聴。小編成のJAZZコンボなので各楽器の定位や質感が良く分かる。CDも高音質。

正直言って違いが良く分からなかった。SCD−1とP-3AはWADIAの場合と違って、瞬間切り替えが出来ない。SACDからCDに切り替えるだけでも最低30秒はかかる。私の場合30秒以上もブランクがあると、余程はっきりした違いでも無いと記憶音が薄れてしまうようだ。聴く時は耳を澄ませ、全神経を集中させ体全体で聴こうとしている。ウルトラスーパーコンセントレーション状態で一音一音脳の中に叩き込む。それでもSACDとP-3Aで聴くCDとの明確な違いは聴き取る事が出来なかった。全体の雰囲気・印象でかろうじて違いらしきものを感じ取った。それを言葉で表現しようとするとなおさら曖昧な表現になってしまう。オーディオ評論家やライターには間違ってもなれない。

セット完了
 全体的な印象で試聴結果をまとめてみる。

改造P-3Aの音
・SACDとの比較ではなく、最初にP-3Aの音を聴いた時、一聴して
 音が滑らかなのが良く分かる
・滑らかさの上に、ピアノの立ち上がりが鋭い
・音の輪郭もはっきりしており、エッジが立っている
・ピアノの余韻が綺麗に伸びている
・倍音が聴き取れるようだ
・時として、或いは人によっては付帯音がいやらしく聴こえるかも知
 れない 

聴き比べ開始
続いてSCD-1によるSACDの音
・高域の伸びはさすがに凄い 軽く頭を通り越して行ってしまった
 私の可聴限界を超えている
・明らかにS/N比が高く、全体のダイナミックレンジは広大
・端正で正確な音 無色透明な音が、時として音楽性に欠ける印
 象を持つかもしれない
 逆に言えば妙な音作りはしていない
・全体におとなしく聴こえる ピュアで蒸留水のような音、
 余計なものが何もないからかもしれない

以上はそれぞれの音を聴きながらメモした内容だが、始めから両者の違いを認識しての試聴だから、無意識のうちにも多分に先入観が入っている。

背面の接続状態
ブラインドテストをしたら、恐らく分からなくなるだろう。因みに3枚目のアルバムで途中用足しに立って戻ってきたら、どっちがどっっちだか混乱してしまった。次回は出来れば第三者立会いの下で比較をしてみたい。そして誰かにこの両者の違いを聴き分けてもらいたい。恐らく戸惑いと驚きは隠せないだろう。

 今回の試聴で総じていえる事は、SACDと分からなくなる位、P-3Aの音は高品位である事だ。こらが改造の結果なのか、もともとのポテンシャルの高さなのかは分からない。しかし私の耳ではSACDと遜色なく対抗できるP-3A(改)は既存のCDを聴く楽しみを今まで以上に増やしてくれる事だけは確かである。
P-3Aポテンシャルは相当高い。正に小さな巨人である。

試聴システム全景

-自室の電源事情-

私のP3およびP-1Aはノーマルの100Vのままで正常に作動しているが、とりあえずテスターでチェックしてみた。

まず自室の電源電圧を測定してみた。壁コンセントではなく電源ボックスを経由した末端のケーブルの測定値だが、画像の通り103.8Vを示している。測定時間は午後7時。時間帯を選んで数回測定したが最大で104.4V、最小でも103Vを下回ったことがなかった。自室の電源電圧は幾分高めに供給されている。これが昇圧をしなくても正常動作した理由かもしれない。
次に本体を経由して送り出される電圧をチェック。
まずP-1A用を測定してみると13.34V。P-1Aは12Vで作動するが、およそ10%ほど高めに電圧が送り出されている。ロックが常に正常にかかっているのはこの若干高めの電圧のためだろう。
同じく今度はP-3A用の電圧チェック。こちらも10.50V出ている。P-3AはAC9V仕様なので、こちらも10%以上の高い電圧供給だ。

以上の測定で、私のP-1A&P-3Aは昇圧トランスを使わなくても必要十分な電圧供給が行われている事が分かり、精神衛生上も安心して美音に浸ることが出来る。

因みに自室ではP-3Aがノイズに弱い側面を確認した事が無い。常に正常動作しており、ロックが外れる現象も今のとこと皆無である。
 もっとも自室にはパソコンもテレビもインバーター蛍光灯も無い。モーター類といえば掃除機くらいの物だが、さすが掃除機をかけながら音楽は聴いていない。天井に蛍光灯はあるものの、音楽鑑賞のときは白熱球のダウンライトのみ点燈させている。クーラーはあるが、こちらは200V仕様で、電源系統が異なる。このようにおよそノイズ源になるものは無い状態で作動させているからノイズによる誤動作経験がないのである。

強化電源P3を開けてみた。


100V仕様のシールが貼ってある
日本仕様はトランスを100V用に乗せ替えているものと思っていた。


P3を開けてみた 
構造はいたって簡単
使用部品を見る限りC/P比は
決して高いとはいえない。


良く見ると115/200V 3A
と書かれている
それでも115Vに昇圧すると
シャットダウンしてしまう。


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