2003/4
4月のとある日、YAMAHAのアナログプレーヤーGT2000にSAECの銘アームWE-407/23を乗せる計画(以下NAS計画)の最終OFF会を開いた。
この日はpippinさんがYAMAHAの純正オプションアーム SAECのWE-407GTをお持ち下さったことにより、一連のNAS計画はクライマックスを迎えることとなった。407GTの正確な製造台数は把握していない。しかし極く僅かしか生産されなかった事は確かだ。その貴重な407GTをわざわざお持ち下さり、このようなOFF会が開けたことは、pippinさんに心から感謝申し上げなければならない。箱入りとはいえ運搬にはかなり気を使われたことだと思う。
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| アームもさることながら箱もピカピカのオリジナル。聞くところによると箱だけ別途単体で入手されたとか。コンプリートなコレクションとコンディションのWE-407GTである。 | この刻印が目に焼きついて離れない。ちなみにシリアルナンバーはSAECの全ての製品の通し番号で、407GTが64854本あるわけではない。 |
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| 記念撮影にと両者を並べて見た。よっしーさんから、「せっかくこの世紀の両雄を並べて撮影するなら、ビロードの布の上などがよろしいようで・・・」とご提案があり、ビロードとはいかないなが、ベッチン風のカーテンを引き摺り下ろしてテーブルの上に広げて記念撮影と相成った。 | |
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| 実際に両者を比べてみるとこんなにも違いがあるのが分かる。長さばかりではなくJの折れる角度も異なっている。 | 更に詳細に見ると、アームリフターの取り付け角度やラテラルバランスの大きさも異なる。これは写真で見ただけでは分からない。 |
| 姿・形は似ていても両者はそれぞれに特徴を持った別個のアームである。実物を見ると407GTはかなり大きく見える。407/23が小気味よいショートアームなだけに、GTの大きさが目立つ。まるでロングアームの様だ。 一説によると407シリーズは23が最も完結したバランスの良いアームで、TM EX GTと長くなるに従って特性が落ちてくるともいわれている。 確かに、もともとショートアーム専用に設計・開発されたWナイフエッジと軸受けだから、そこを変えないままパイプを伸ばせば伸ばすほどバランスが崩れたり軸受けに付加がかかる事は予想される。それ故ロングアームの506/30は始めからロングアーム専用に設計の見直しがなされ、パイプの強度や軸受けの強化が計られたとも聞いている。 これは益々両者の対決が面白くなってきた。 |
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| 407GTの特徴はパイプの長さだけではなく、アームケーブル出しの位置にもある。GT2000に乗せるため苦肉の策で横出しになっている。これは407TMとも異なる。 またこの砲金製の肉厚のベース、見ているだけで涎が落ちそうだ。 |
カートリッジを取り付けてからラテラル調整を行なうpippinさん。もう一台407GTを所有され、何度も調整しているので手馴れたものである。 |
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| ずっしりと重い砲金製ベースをキャビネットに取り付ける。このベースが407GTのもう一つの特徴だ。YSA1や2さらには39のともするとひび割れが発生するアルミのベースとは一線を画する。この砲金ベースだけでも価値がある。 | アームをセットし慎重にゼロバランスを取るpippinさん。 |
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| 続いてオーバーハング。407GTは407/23と異なり9mmが指定されている | テストレコードを掛けながらアームの高さ、リフターの下り具合等の様子をチェックする。 |
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| ケーブルを取り付けた様子。今回はオルトフォンの2重シールド極太8Nケ-ブルを使用した。ケーブルの抜き差しが簡単に行なえる横出しコネクターは非常に便利だ。こんな構造だとケーブルの比較試聴にも拍車がかかりそうだ。 しかしこの納まりの良さは何とも美しい。さすが純正オプションの貫禄である。 |
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| セッティングも終わり、いよいよ試聴の開始。緊張の一瞬だ。試聴条件は407/23と同じで、カートリッジは PhaseTechのP-1を使用する。チェックレコードは「NORAH JONES come away with me」ほか数枚。 いよいよ音出し。出てきた音に私ばかりではなく一同驚く。 たった25oの長さの違いがここまであるとは驚いた。 |
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| 407/23 (NAS) | 407GT |
| 基準音で聴いたノラのボーカル、ショートアームから連想されるという訳ではないが、シャープで小気味よい。 ハイスピードで声の輪郭がボケることなくピシッとフォーカスが合った解像度の高い音像だ。 好きずきもあるが、この高解像度・ハイスピード系の音はとても好ましい。 407GTを聴いた後ではいくらかタイトに聴こえなくもない。この辺は逆にカートリッジの選択で音決めをすればいいかなと思った。 セッティングの3oの誤差は純正407GTと比べて、音の違いと現れたかどうかは分からない。むしろショートとセミロングのパイプの長さの違いが端的に現れたような気がする。 |
ノラのヴォーカル、声にゆとりがあって、よりふくよかに聴こえる。温度感が上がったような印象だ。音像が曖昧になるということではなく、厚みが増した感じだ。 ピアノの音は余韻が綺麗だ。音の裾野が一段広がったような余裕のある音である。 因みにカートリッジをベンツマイクロのL0.4に替えたら、いくらかタイトに引き締まった音になった。GTに限らず407シリーズはカートリッジの特性をアキュレートに反映する、とても敏感なアームである。 パイプが長くなった分だけ解像度が落ちるのかと思ったが、そんなことはなくむしろ反応の鋭い極めて優秀なアームだ。 |
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| 聴き入るよっしーさんとpippinさん |
途中から今回の大元の仕掛け人 NAS計画の発案者調の字さんことゴンさんも駆けつけてくれた |
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| 407GTの試聴が一通り終わり、407/23に戻して今度はベースのスペーサーによる音の違いを楽しんだ。 同じ石英のインシュレーターでも音の傾向が変わってしまう。リプラスのインシュレーターは低音の厚みが違う。ボトムエンドが良く伸びて全体的に解像度が上がったように思う。 アームはベースも含め全体で音作りをしている事が良く分かった。 |
リプラスの台座が大きすぎてベースの下にうまく納まらないと感想を漏らしたら、ゴンさんが小型の台座を作ってくれた。頭が下がりました。 この大きさだとリプラスと同じく、ベースに対して正三角形の位置でセットする事が出来る。これで又緩衝材の交換による音の変化、好みの音の追及に興味が湧いてくる。 |
| カートリッジの交換によって好みの音作りができる所がユニバーサルアームの最大のメリットだ。 今までGT2000XにはYSA−2を使ってきたので、カートリッジの交換が事実上出来なかった。 407/23を取り付けたメリットは、世界でもトップクラスの高性能なアームで、 気軽にカートリッジ交換ができるところにある。 今回407/23と407GTとをほぼ同時比較試聴して感じた事は、玉虫色になってしまうが、やはりそれぞれのアームの持つ良さが十分に分かり、共に素晴らしいアームであることが確認できた事である。 アームも単体だけで捉えず、カートリッジやシェルやリード線更には台座やセッティングを含めて トータルに調整していく事の大切さが分かった。 改めてゴンさん、よっしーさん、pippinさんにこの場を借りてお礼申し上げます。 素晴らしい経験をさせて頂き、ありがとうございました。 |
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| 2003/4/17 | |