自宅 OFF会− 来 友 遠 方 −

2004/2/22


OFF会に備えて急遽部屋の整理を行い、体裁だけは何とか取り繕った。
機器はポンと置いただけ、細かいセッティングの煮詰は間に合わず、
音を出してのチューニングもほとんど出来なかった。

ただ、今回のOFF会に備えて、金Bさんの拡散板を設置し、
センターラックの機器を整理出来たことは大収穫であった。

以前から山本さんをはじめ田口さんやジローさんから
「スピーカー周りには物を置かない方がいい」と言われ、
多くの反省を込めて、自分も出来ればあまり機器は置きたくなかった。

このHPの立上げの目的の一つに機器の整理・縮小を掲げていたくらいだから、
機器の整理はいつも頭の片隅にはあった。

恥をさらすようですが、下の画像は自宅を追い出されるウン年前の部屋の様子。
(今となってはとても恥ずかしいです)

スピーカーやら機器が所狭しと並び置かれている。
並べられるだけ並べて自己満足していたような時期だ。
(実は横にも大型のバックロードホーンや機器類も置いてある
今から思うとゲップがでそうなくらいにモノが溢れかえっていた)
部屋の容量に比べて物がありすぎる。

挙句の果て家族から総スカンを喰らい、とうとう家から追い出されることになる。

JBL3100などウーハーが見えないほど前に物が置いてある。
(ところが実際には低域のエネルギーは相当なもので、ユニットの真正面に多少の物があってもそんなことでへこたれる15インチウーファーではなかったが・・・。)

音の広がりや高さ奥行きといった音場感・プレゼンス
あるいは個々の楽器の音色よりも、
エネルギー感・音の躍動感に力点を置いて聴いていた。

JAZZの肝は熱い演奏者の魂に触れることにあるうそぶき、
音色やステレオイメージなどは二の次で
中域の音がストレートに耳に飛び込んでくればそれで十分満足していた。

いや、単に色々なスピーカーやアンプの音を聴きたかっただけかもしれない。
更に言えば積年の鬱積していた物欲の塊が爆発して、
ロー&ミドルエンドのモノを買い漁っていた時期でもあった。




そして現在



こうして改めて見比べてみると、自分の音
や音楽に対する関わり方の変遷がよく分かる。
「拡散から収斂へ」などと言うとカッコをつけ過ぎだが、
だんだん内容を濃くしてシンプル化の方向に走っていることは確かだ。
それでもまだモノがありすぎる。













バッグ二つに重たい荷物を詰め込み、大阪から御田さんがおみえになった。
伊豆の下田からOさんも駆けつけて下さった。

だいぶ前から企画していたOFF会であったが、東京と大阪・下田とでは距離がある。
必然日帰りという訳にも行かず、一泊二日のスケジュールを立てて下さった。

セッティングの見直しを行ったばかりで、自分自身まだ音の追い込みを行なっていない。
物の整理が進み、スピーカー周りもだいぶすっきりしとし、おまけに金Bさんの拡散版の設置で、
いい方向へ音は変化したと思うが、細かい煮詰めはこれからという段階である。
逆にお二人に感じたことをずばりと話して頂き、今後の指標となればいいと。


重たいバッグの中身は御田さんスペシャル。レストアJC−1AC本体とその強化電源。

まずこの強化電源がフルっている。技術的なことは御田さんの
◆JC-1 AC電源部自作と本体改造始末◆
をご覧下さい。



とりあえず、現状の我が家の音を聴いて頂く。
まずはアナログレコードから



ここで、思いのほかアナログの音が芳しくなかった。

低域がだらしなく広がり、引き締まっていない。

レイ・ブラウンの爪弾きも弦の太さがぶっとい縄のように聴こえて緩い。

中高域のピアノの音も鮮度が悪くキレがない。

音量はいつものOFF会レベル。

これは一般的にはかなり大音量の部類に入ると思う。


音の鮮度とキレの悪さを自分なりに考えてみると

@パワーアンプがまだ温まっていない。来宅前30分程度しかアイドリングしていなかった。

Aアナログプレーヤーの設置場所を移動して、丁度スピーカーの間の凹み部分に置いた。
定在派の交差点みたいな場所で、華奢なオラクルの筐体は音圧で振動していた。

Bスピーカーのセッティングが中途半端で多少ガタツキがある。                

そんなところで、自分自身も納得のいかない音が出ていた。

CDの方はまだマシな方で、60点くらいの音は出ている。

やはりアナログプレーヤーのセッティングが災いしているようだ。

因みにYAMAHAのGT-2000X&ベンツマイクロL0.4の方も同じ条件で聴いて頂いたが、
こちらの方が断然いい。重心の下がったカッチリとした低域が再現されている。





少し長めの昼食時間を挟んで、いよいよ本日のメインイベント、JC-1ACとDCの聴き比べ、
そして強化電源によるML-1本体の聴き込みである。


レストア版JC-1ACの音を聴く為にはML-1のフォノモジュールをA3に戻さなければならない。

そこで、現在取り付けられているD5を取り外すことから始まった。

モジュールを交換して、初めに御田さんスペシャルJC-1ACを聴いてみる。

  
フォノモジュールをD5からA3に交換

ここでレストアに付いての私見

電気製品や可動物(車や時計等の機械物)については、適切なメンテナンスは必須である。

基本的にはオリジナルのままの音を聴きたい。
製作者が意図した音に触れてみたいというのが本音だ。

ところが、製作から2〜30年経過している古い機器は、部品の劣化や腐食・接続不良などが見られ
状態のいい物はなかなかお目にかかれない。

個体差はあっても、昔のケミコンは10年前後で劣化しやすいと聞く。
容量抜けと漏洩電流の増加である。

初期特性が低下した機器をそのまま我慢して使い続けるより、
劣化したパーツ類を交換し適切なメンテナンスを施して、
積極的に活性化する方が機器のためにもいい。

古色蒼然とした古びた音をオリジナルの音として有難がって聴こうとは思わない。

これが私の基本的なスタンス


本来、交換パーツも製作当時の完全なオリジナル品が残っていれば一番いい。
問題は同じものがない場合である。同等品で対応することになるが、
ここで何を選択するかがレストアする人の知識と経験とセンスにかかってくる。


大幅な回路の変更にまで及んでしまうと、もはやメンテンスとはいえなくなるが、
オリジナルの音をエキスパンドする方向でのレストアについては大歓迎である。

その意味で今回の御田さんのJC-1ACのレストアと電源強化対策には
強く共感を覚えた。


御田さんに触発を受けた私は、JC-1DCとACのレストアを決意した。
ところが悲しいかな、御田さんと違って私には知識も経験もない。

(そこで余談だが、ここはレストアの大家YALの安田さんにメンテナンスをお願いすることになった。
今日はレストアから戻ってきったYALバージョンのAC-1DCと御田バージョンJC-1ACを
聴き比べるという、誠に贅沢でワクワクするイベントが待ち構えている。)



【御田バージョン JC-1 AC電源部】
 整流コンデンサ(ポリプロ 100μと20μ)、ファーストリカバリー・ダイオード
 48V安定化電源(TI TL-783)
 DACT電源基板
 出力用ポリプロ・コンデンサ 51μ×2個
 左側のケーブルは、AET TWINでJC-1 ACへ±15Vを供給

トロイダルトランス(30VA)

JC−1ACの改造

@JC-1 AC本体の補強(5mm厚アルミ合金板を使用。) 
Aプリント基板の固定箇所(現行2カ所)を6カ所に増加。
BJC-1 ACのRCAジャックの交換。             
C内部配線をAETの4Nクライオ銀線に交換
       
 
ML−1の中を覗きこむドクターOさん

セッティングの様子

u
上に置かれているのがJC−1ACのオリジナル電源部
下が御田バージョン強化電源
取り出す電圧は共に±15Vに過ぎないが、この作りの差が音に出ない訳がない。


聴き込むお二人


@ ML−1のフォノモジュールを交換後、まずはノーマル電源のJC-1を聴いてみる。


JC-1ACの接続は、内蔵のD5モジュール(ヘッドアンプ組込み)に比べると
接点が増える分だけ音質的に不利と思えるが、
試聴レベルでは特に音質が劣化したなどという事はなかった。

むしろ設置場所を自由に決めれられ、内蔵モジュールよりS/N比的には有利なところもある。

D5モジュール(ヘッドアンプ)はML−1本体の電源を流用する点で、電源本体にも負荷がかかる。

これを本体電源から切り離したことにより、
ML−1本体、ヘッドアンプ両方にとっていい結果になったのではないだろうか。

音に力強さが加わった。

もっとも、これは昼食を挟んで電源を入れっ放しにしていたパワーアンプが温まってきた事も関連があるようだ。

いずれにしても内蔵モジュールより音の鮮度が増してきたことは確認できた。






A 続いていよいよ御田バージョンJC-1AC+強化電源の試聴。

紙面では伝わらない。
その場にいた人でないとこの音の変化はわからない。
そんな事を言い出したら元も子もないが・・・。

居合わせた3人が3人とも、申し合わせたように「ウッ」と唸った。

午前中聴いたぼけたような低域は何処へ行ってしまったのだろうか?

同席した一同から 誰からともなく「低域の膨らみ過ぎが収まり、
適度にタイトになった」との声が漏れてきた。

音の輪郭?もシャープに立っている。

メーカーの試聴会のように、先入観を与えるべく先に言った者勝ち
という情報操作なんて事はない。

純粋に低域の力強さがまして音が引き締まってきた。
これはいつも聴いていた本来のオラクルの音である。

午前中、低域のもやもや感はプレーヤーのセッティングに伴うハウリングが原因とばかり思っていたが、
どうやらそればかりではなかったようだ。





B 続いて、御田バージョン強化電源の売り物?の一つ、電源プラグ変換アダプターの登場。


これによりML−1本体に強化電源からの電源を供給することが可能となる。

ここではライン入力のCDも聴く。



オリジナルの電源PLS-150はそろそろメンテナンスの時期に来ていると思う。

製造から20年以上経過し、ケミコン類も劣化している頃だろう。
接触不良も発生していかもしれない。
勝負としては同じ土俵で戦わせるのは少しハンディキャップがある。

御田バージョン電源の威力は、まず音の静けさに現れてきた。

高周波ノイズフィルターが効いているのか。全体のS/N比が下がった感じだ。

但し、私の今まで聴いていたML-1特有のコッテリ感が少し薄れてきた感もある。

これは音の解像度が上がり、音が鮮明になってきたことと反比例するのかもしれない。

低域のもたつき感は全く感じなかった。


この音が本来、J・カールが作り出した音だったのかもしれない。
今でも十分通用するHiFiで鮮度の高い音である。音の力強さも申し分ない。
少々陳腐な表現だが、巷で多用されている「ヴェールが一枚剥ぎ落とされた音」
という言い回しがぴったりと当てはまる。


この音はとても気に入った。PLS-150本体のメンテンスよりも
この強化電源にコストを掛けた方がML−1のクオリティアップに繋がる。

そこで早速御田さんにおねだりして、もう一台御田バージョン強化電源を作って頂くことにした。
ケーブル2本出しで、ML−1とJC−1AC両方に使える特製バージョンになる。




C 最後にYALチューン JC-1DCの音を聴いてみる。


方や大型トランスやコンデンサー&ICを使って安定化電源回路を組み込んだ大掛かりな電電装置。

交流電圧をクオリティの高い直流電圧に直すにはこれくらいの装置になるのだろう。


一方JC-1DCは名前の通り単一乾電池たった2本による電力供給。
そもそもヘッドアンプだけのように消費電力が少ない電子回路には理にかなった電力供給方式かもしれない。

ML−1本体が強化電源でクオリティアップしている事

JC−1DCもYALでチューンナップしている事

更に乾電池仕様でS/N比が高い事

それらの相乗効果だと思う、ハイスピードで瞬発力の高い音が聴けた。

ピアノのタッチ特に低域、ベースの重低音などの輪郭がくっきり描かれて聴こえる。
甘さやとろさのない端正な音だ。







聴いたアナログソフトは

   
   



御田さんが手に持っているのが自作ピンジャック変換ボックス
これでML−1本体に御田バージョン強化電源が繋げられる
このレモ製コネクターも数種類あり、この形になるまで少し時間がかかったようだ

  


YALの安田さんによるレストア版 AC-1DC
レストアの内容は日記2月20日参照






こうして午前10時から始まったOFF会は、夕方まで続けられ
多くの収穫と興奮を残して散会した。

電源一つで音が変る。今更ながら、改めて思わされた。


後日、御田さんからこんな感想文を頂きました。

機器の配置替えの最中におじゃましましたが、機器の内容といい、密度といい、
入るなりOさんと嘆声を上げてしまうほど中身の濃い男の城でした。
アナログ・CDいずれのプレーヤーも両SP間にあり、移動前の仮位置と言うことで、
とりあえず聞かせていただきましたが、38cmウーファーのすぐ横のオラクルのアクリル・ベースが
振動しているのがはっきりわかるくらいで、全体に中低域がブーミング気味で、
昼食後は機器を予定位置に移動して聞こうと言うことになりました。
正直この時点では、このスペースで#4348はかなりへヴィーだな、という感じを持ちました。

Oさんの時間のご都合もあり、昼食後は先に私が持参した改造JC-1 ACと
自作電源(±15V)を先に試聴することになりました。

1.従来電源でのJC-1 AC                
2.自作電源でのJC-1 AC                
3.ヘッドアンプJC-1 DC+PLS151電源でのML−1
4.ヘッドアンプJC-1 DC+自作電源でのML−1  

の順で試聴しましたが、音の鮮烈さが出てきて、
特に4は音の数というか音の密度など全体としての情報量の増加があったと思います。
この間の音の変化については、是佐さんご自身のコメントをご覧戴くことにして、
特に驚いたのは中低域のブーミングが余り気にならなくなった事でした。
率直に申し上げて、この場にいなければ、この変化は実感できないと思います。

トータルの結論としては、
@JC-1 AC、DCともに、ML−1のMCフォノカードよりも外付け昇圧デバイスの方が音質的に有利であること。
AML−1、JC-1 ACともに電源や昇圧デバイスなどの変化に敏感に反応し、現在でも一級品といえる     
グレードを持っていること。                                                 
Bi-1、i-3、#4348ともに、各組み合わせの音の差を見事に表現し、質の高さを示したこと。           

が申し上げられるかと思います。

それと、安田オーディオラボでのJC-1 DCのメンテの、
単なる復元でないレストアを実際に見せていただいたことは非常に参考になり、また意を強くしました。

勿論、部屋の吸音(特に中低域)や、機器の整理と制振対策や配置、
設置方法など課題はたくさんあるとお見受けしますが、
今回是佐さんから製作を依頼された電源がその一助になれば、誠に光栄です。


****************************************:

御田照久


御田さん Oさん ありがとうございました。今度は今度は大阪と丹波山にお伺いいたします。
























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