【SPレコード】

ランサーがドッグ入りして事務所では今SPレコードの再生が困難である。
デジタル・メデアに対する反動ではないが、アナログそれもSPレコードの音が聴きたくなり、昨夜は岡さんのお宅に遊びに行く。岡さんのお宅にはランサーがある。
続けざまに古い、しかし状態のすこぶるいいSP盤を解説付きで聴かせて頂いた。デジタルとは異なる、帯域の狭い、しかもノイズのある音源だが、音楽のエネルギー感が凝縮したような力強い音である。
録音機材の特性も今とは比べるべくもなく悪いはずなのに、演奏者の気魄か実力か、耳に届いてくる音楽には力が漲っている。全てのSP盤そうというのではなく、中にはへたれな録音もあるが、少なくても岡さんが昨夜厳選してかけてくれたSP盤はどれも熱い厚い篤い音がしていた。

ベニー・グッドマンのこのLPには1939年吹き込みのSPの音源が入っている。コロンビアのGL500シリーズは音がいいとの定評があるとのことだが、確かにクラリネットの柔らかな音色が良く出ていた。
ところが原盤のSP盤を聴かせて頂くと、木管の柔らかさより、生の楽器の質感やグッドマンの指使いが想像され、よりリアルに聴こえてきたのが不思議だった。これがSPレコードのもつ音のエネルギー感ではないかと勝手な解釈をしている。1939年頃はもう電蓄の時代に入っているが、こんにちの調整されたオーディオ装置で聴くと、当時では聴けなかった音まで再生されていると思う。今聴いても鮮明で躍動感に溢れる音楽が聴ける。SPは一つの完成されたフォーマットではないだろうか。LPレコードとは比べてはいけないと思った。
土産といってはなんだが、重複している盤やSPのセカンド盤など、岡さんが聴かなくなったSP盤を30枚ばかり頂いて帰った。30枚ともなるとさすがに重く、両手に手提げ袋の紐が食い込む。その重さに時代の重みも感じた。

02/16
【ケーブル】

デジタル伝送のケーブルはBELDENの1506Aというメーター数百円の業務用ケーブルを用いた。デジタル伝送にはシールド層によって外界からの電磁波の影響を抑えて信号を伝達することができる同軸ケーブルを使うのが原則とのことである。また同軸ケーブルは一部分でも同軸でない箇所があるとそこで反射、減衰がおこり特性が劣化するため、終端はBNCコネクタ仕様にしてある。これで終端までインピーダンス75Ωが保障される。ケーブルの長さは50cmと、短めに使っている。
ZIAのCDPのデジタルアウトはBNCジャック仕様なので問題はないが、SCD-1のデジタルアウトはRCAジャック仕様なので、ケーブルの終端にRCA変換コネクタを取り付けて接続するしかない。上記の理由で変換コネクタは本来使いたくはないが、こればかりは致し方ない。
ZIAからのBNC接続は確かに情報量の多い鮮明な音が聴けた。デジタル伝送でもケーブルによって音が変わる事を改めて体感する。
02/14
【改めて試聴】
丸二日間SD05の電源を入れっ放しにしている。天板を触ってもほんのりと暖かいだけで発熱はほとんど無い。電源はアキュフェーズのクリーン電源PS-1200Vを通しているが、電源ON OFFで消費電力の値を確認してみるとごく僅か針が振れる程度で、無信号時の消費電力はごく僅かである。試聴レベルまでボリュームを上げても4〜50Wしか電力を使っていない。レビンソンの1/10程度の消費電力ということになるが、、エコ対策も視野にいれたアンプであることが分かる。
実際自分の環境下でSD05をセッティングして音を聴いてみると、他所で聴くのとは違う側面も見えてきた。スピーカーの違い・部屋の環境の影響が大きいが、SD05のドライブ能力の高さ、静粛性に改めて驚かされる。
スピーカーは小型2ウエイ機だが、今まで低域の量感不足にサブウーファーを追加して聴いた。ところが、今回SD05に繋いでみると、音量を絞っても低域の量感が痩せない。サブウーファーの追加は低域の改善もさることながら、音の骨格を明瞭にする効果もあるが、SD05ではサブウーファーの必要を感じない。
スピーカー単体で十分音の厚み、エネルギー感を出すことが出来る。音量を上げると音像の厚みが更に増し、正にスピーカーから音が解き放たれたという印象を浮けた。

Model68にはバイワイヤーの端子がある。ユニット同士の起電力の影響を少なくする為、バイワイヤー接続を行なってみた。これは効果あり!であった。音の抜けが一段とよくなり、特に高域のクリアーさが増す。全体の鮮度が上がった様で、音の浸透力が見事である。アンプ側で折角負帰還をかけていないのであるから、バイワイヤー接続は端子があるスピーカーでは必至だと思う。間違いなく音のステージが一段上がる。

深夜、思わぬお客様がお見えになった。

およそ2年ぶりに
渡邉師匠にお会いする。渡邉師匠はDAC等のデジタル回路の研究・開発を手がけていらっしゃる回路技術屋さんなので、デジタルアンプについてはいわばご自分の専門分野である。SD05についても即座にs-masterプロセッサーが使われていることをご指摘され、ここでもまた無帰還アンプについてのレクチャーを受けることとなった。
その渡邉師匠にSD05の音を聴いて頂いたが、一言
「ピアノのガツンという芯のある音が出ており、ピアノの実態感がとてもよく表現されていますね。」
との感想を頂いた。
02/13
【プライトロンのトランス】
昨日の午前中Eさんが持ち込んで下さったのは
プライトロン(カナダ)の医療機器用アイソレーショントランス(一次側 200V⇒二次側 230V 5KW仕様)である。このトランスは医療現場で使われているホスピタル・グレード物で、
大阪の御田さん推奨のトランスである。雑音に対してシビアーな医療用機器に使われるトランスだけあってアイソレートの能力は桁外れに高いとのことだ。片桐さんが米国の友人を介して個人輸入して下さった。

隠れ家ではオーディオ専用回線は200V使用になっている。電圧を測定すると204Vになっている。パワーアンプの規定電圧は230V仕様なので1割ほど昇圧させるとマッチングがいい。昇圧用に導入してみたが、終段の電圧を測定すると249Vまで昇圧されていた。これでは電圧が高すぎるので、今後調整する予定である。当面は結線を変えて1:1で使い、アイソレーションとして用いることとする。

これをオーディオ用に転用するとどの様な音の変化が得られるのだろうか。エージングに少し時間がかかると思うので、落ち着いた頃に試聴結果の感想を述べてみたい。それにしてもバームクーヘンの親方の様にでかくて重い(30kg)トランスである。おまけに突入電力が半端ではなく、スイッチを入れた瞬間、40Aのブレーカーが落ちてしまった。さすがに500KVの大容量だけある。
【イベント】
未だに頭の中が痺れている。コアで長い一日だった。
午前中はEさんに電源周りのブラッシュアップをして頂き、昼からはデジタルアンプSD05の試聴会を行なった。
試聴会では開発者の
石田さん(サウンドデザイン)を事務所に招き、デジタルアンプの技術的な説明を行なって頂いた。この試聴会、もともとは今回開発したSD05とはどのようなアンプなのかを簡単に説明して頂いた後、実際に試聴してその音を確認しようという段取りでいた。
ところが、石田さんの説明に参加された皆さんが熱心に耳を傾けると、呼応して石田さんも熱くなり説明に熱が入る。説明が熱くなればなるほど、参加者も真剣に聞き入り、質問や意見が飛び交う。昼過ぎから始まった説明会は夕食を挟んで延々と続き、終わってみたら夜の10時半を回っていた。
そもそもデジタルとは何ぞや、アナログアンプとどこが違うのか、デジタル増幅の仕組みとは、起電力とは、NFBとは...図を示し、ホワイトボードに書き込み、デジタルの基礎的な説明から始まり、今回開発したデジタルアンプの特徴まで、私のような素人に対しても分かりやすく懇切丁寧にお話しして下さった。説明会というより講習会いや勉強会と言った方が適切かもしれない。未だに意味不明なところも多々あるが、お陰様でデジタルアンプの概要をおぼろげながら掴む事ができた。
結局話しが面白く、そちらに集中してしまったので、実際の試聴はごく僅かな時間で終わってしまった。それでもその音を聴かれた何人かの方からは感嘆符の声が上がった。新しい発見や驚きを得られた方もいらしたようだ。音は実際に聴いてみなければ何とも言えない。(参加者のお一人ジローさんの感想は
こちらからどうぞ)
それにしても石田さんは情熱の人である。それが音になって具現化されている。デジタルの音が淡白で温もりがないという私の偏見はその音を聴いて見事に吹っ飛んだ。

CDのデジタル情報をアナログ変換することなく、そのままデジタルデータとして増幅する。これほどシンプルかつストレートなシステムもない。しかもスピーカーからの起電力に影響されることなく(=NFBをかけることなく)スピーカーを駆動する。電源効率も極めて高い。音色の好みは個人の感性によって様々だが、データーの情報量、位相特性、歪やS/N比などは客観的にアンプの能力によって決まる。本来CDというデジタル・フォーマットはデジタルアンプで再生するのが理想形かもしれない。
アナログレコードとCD、更にはSACDやPCオーディオ、どれが音がいいかなんてことは、少し乱暴ないい方をすれば、私にとってはどうでもいい問題である。それぞれのフォーマットの良さを活かし、それらが我が家でベストな音で聴けるように調整して、適宜ソフトに応じて音楽を楽しんでいる。LPレコードにはもちろんいい演奏が沢山あり、またそれでしか味わえない味がある。一方CDには音楽再生の利便性があると共に、CDでしか聴けない現代の音楽がある。また最近のDSD変換されたSACDには息を呑むような作品もある。
CDからこれ程情報量が多くしかも瑞々しい音が聴けるのは楽しい。CDだけを聴くのであれば、このデジタルアンプ一台あれば事足りるかもしれない。
エポックメイキングな一日となった。
02/12
【セッティング完了】
試聴用アンプが届いた。早速セットする。デジタルケーブルの長さの関係でCDプレーヤーの位置を左右に入れ替え、アンプのセッティングを終えた。SCD-1のデジタル出力から直接アンプのデジタル入力に入れ、Modle68に繋ぐ。
デジタル・プリメインアンプなので別途D/Aコンバーターやパワーアンプなどは要らず、極めてシンプルな構成である。考えてみればちょっとしたD/Aコンバーターを買うお金でフルセット揃うわけだからコスト/パフォーマンスは抜群にいい。先般のゴールドムンドのデジタル・フルセットはベンツの最上級車よりも高価だが、これならならビアンキの高級自転車程度の値段で購入できる。これで音が気に入れば申し分ない。

アンプにはデジタル入力が4系統、アナログ入力が2系統あるので、ZIA NEW FUSION 64も繋いでみた。これでZIAのCDプレーヤーとSCD-1のデジタル入力の聞き比べが可能となる。果たしてフルデジタル伝送では出力機による音の違いはあるのだろうか。はたまたアナログ入力ではSACDがどの様に鳴るのだろうか。いや、そもそもフルデジタルの音は拙宅でどんな鳴り方をしてくれるのか。

空席ににおかれたアンプは
サウンドデザインのFoB(
Feeling of Being)デジタル・プリメインアンプSD05である。久しぶりにワクワクしながらアンプのスイッチを入れてみた。とりあえず音出しのチェックをしただけで、まだ音は聴いていない。もったいぶる訳ではない。これから所用で外出するので、中途半端には聴きたくないだけである。戻り次第腰を落ち着けてじっくり聴き込むつもりである。
02/11
【空席あり】

来る12日のプライベート・イベントに向けて準備を進める。Modle68をセットし、ブラックホールの上にSCD-1を置き、その横は空席である。12日までにはここに試聴用のアンプが置かれる予定だ。
先日来 安西さんのお宅で、このアンプをセットして試聴を繰り返している。当初このアンプに懐疑的だった安西さんも、音を聴いて納得されていらっしゃる。タンノイGRF(モニター・シルバー仕様)が朗々と鳴ったのである。果たして事務所の小型スピーカーではどういう結果がでるだろうか、今から楽しみである。
低域の量感不足はPADのケーブル(プロテウス)自体の個性なのか、或いはミクロ単位でレモコネクターとケーブルとが接触不良を起こしているのか、原因が分からずじまいで放置していた。そんな折、レモ端子の接触不良ならメンテナンスも含めて一度見てあげましょうと先日T.H.Labさんが立ち寄って下さった。
レモ端子のオス側の半田付けは接触面積が狭く、太いケーブルだと結局何本か間引かないと半田付けが出来ない。手始めにデジタルテスターで導通を確認したが、グランド側に比べて僅かに抵抗値が増えている程度で導通自体には問題がなかった。
ただレモ端子の付け根の緩みで(わざと緩ませストレスを回避してある)、ケーブルが動くとグランド側にノイズが乗ることがある。ホット側のケーブルもひょっとして何本か切断されているかもしれない。分解チェックしてもらうことにした。