【久々のF邸】

久々にお邪魔したFさんのお宅のスピーカーはKRELLのLAT1からアヴァロン・ダイヤモンドを経てS9500に変わっていた。アンプは以前と同じく私の33HLの兄貴分33Lであるが、入力系は一新してESOTERICの最新のフルバージョンで固められていた。しかも時計付き。アナログ系も嫁入りしたMICROの5000はラックの中で休眠中、代わってSME20が鎮座していた。

さすがに33Lのドライブ力は凄い。S9500がまるでフルレンジユニットのように音の一体感をもって強力に鳴る。バーチカル・ツインのメリットが発揮され低域から高域まで繋がりのいい音が飛び出してくる。低域は思いのほかタイトであるが量感の不足は感じない。ユニットの制動力が強力なのだろう、ウーファーのコーン紙は殆ど静止したままのように見える。




AE1のMkVが予想以上に素晴らしい音を出していた。低域の量感が凄い。ブラインドだとS9500と区別がつかないくらいである。パワーを入れれば入れるほど快活になり、場面ではS9500を食うところもある。中高域はやや柔らかめであるが質感は高い。小さいが侮りがたしといったところである。
6/14
【軍用ルビジュームクロックの音】

Eさんのお宅に遊びに行く。電源周り・ケーブルという伝送経路そしてインシュレーターで行うチューニングの腕にかけては右に出る人はいないのではないだろうか。ゴッドハンドである。今まで何件ものお宅のチューニングやアドバイスを行われているので、Eさんのお世話になった方も多いと思う。話をしていてもSさんUさんTさんと、次から次に知り合いの名前が出てきた。Eさんは本業があるので黒子に徹し、ネット上はもちろん雑誌とか他のメディアに登場することはない。もっぱら裏の世界(?)で大活躍されておられる。悩めるオーディオファイルの方のたの心強いい味方である。
理論に基づく徹底した電源周りのチューンと軍用のルビジューム・クロックを駆使したジッター・ゼロの世界の音を聴かせて頂いた。CDトランスポートは超高精度にクロック管理された専用のパソコンを流用している。いったんハードディスクに落とし、そこから、ノーススター・デザインのMODEL192DACへと繋がれている。ルビジューム・クロック信号は波形調整のためクロック・リジェネ分配器を通してパソコンのサウンドカードに入力されている。アナログ出力はプリアンプを通さず、LUXのパッシブアッテネーターで受けて自作の金田式DCアンプへと受け渡す。スピーカーはPMCのMB1。


部屋はそれ程広くはない。特別な音響対策もされている訳ではない。インテリアに拘り小綺麗にシステムを並べて目で楽しむという世界とは対極かも知れない。しかし電源周り、ケーブルそしてインシュレーターには想像を絶するほどの対策をされている。正に音質優先のエンジニアの秘密基地という景観である。
続けざまに音楽を聴かせて頂いたのだが、久しぶりに鳥肌が立った。目を瞑ると部屋の壁がなくなる。静寂の中で展開する広大な音場感とプレゼンス、そして解像度の高いシャープな音像。音が出る前の瞬間の無音、背後にある空気感、気配を感じ取ることが出来た。ノイズフロアーが極めて低くS/Nが際立っている証であろう。目では確認できないが、音の粒子が細かいのであろう、音の浸透力と音楽の訴求力が非常に高い。
羨ましいことに、Eさんのお宅の目の前には東電の柱上トランスがあり、そこから直接オーディオルームに電源ケーブルが取り込まれている。部屋内に分電盤が設けられ、電磁波対策された専用電源ケーブルがオーディオシステムに直接分配されている。Eさんの純度の高い音の秘密はこの辺のチューンによるところも多きのかも知れない。

6/13
【復旧】
3週間ぶりに20.5Lが帰ってきた。前回の故障箇所とは異なり、トランジターが二つ逝っていた。完全A級アンプで発熱量も激しく、しかも製造から15年以上経過しているので、無理からぬ事だろう。むしろ今までほとんど故障しなかったのが不思議なくらいである。
今回の修理では、販売元のユー・オーディオ・ドットコムそして輸入代理店のハーマン・インターナショナルのモラルの高さとサービス体制に感激した。昨今、修理自体受け付ける窓口がなくなり、また修理費に法外な値段をふっかけ平気な顔をしている店が多い中、前記2店の良識にはユーザーサイドの信頼を勝ち取るに十分な姿勢と対応だった。これは否が応でもファンにならざるを得ない。CS(顧客満足度)の高さは、同じサービス業を営む私にとって非常に参考になった。


【一聴比べ】

SE400に比べると、一聴して音が柔らかいのが分かる。いわゆる真空管独特の酷の深さと艶やである。柔らかいといってもぼけた音では決してない。SE400の音が紺碧の9月の青空だとしたら、MC240は春霞の4月の空というイメージか。ピアノなどはカツンと尖った音ではなく、すこし丸みのあるコツンという感じである。これがボーカルものを聴くときには、うっとりするような美音を響かせてくれる。ツボにはまったときのMC240の音は何者にも代え難い。ランサーとの相性もすこぶるよく、この音はとても気に入った。
【MC240】

Kさんから「これ聴いてみない」といわれ、すえ膳食わぬは男のナンチャラ。隠れ家に持ち帰った。コンパクトな割にこれが重いの何の。ほとんどがトランスの重さである。当時のマッキンのトライ(もしくはバイ)ファイラー巻きトランスは、その音の良さに定評があった。製造後40年以上経過し、そろそろコイルが断線しているものもあるらしい。
持ち帰ったMC240の外観はとても綺麗で、スクリーン印刷もはっきりと残っている。システムはうちと全く異なるが某所ではとても美音で鳴っていた。果たして我が家ではランサーをどんな音で鳴らしてくれるだろうか。セッティングは少し先になる。週末はこれでJAZZを楽しもう。

6/12
【バロックの耳】
聴く音楽もオーディオ機器もその趣向性が全く異なる青柳さんが遊びに来られた。茨城の石岡にお住まいというから、一日がかりの遠征ということになる。仕事ならいざ知らす、いや趣味の世界だからこそフットワークも軽くなるのかも知れない。いずれにしても、趣味は自己の内にある意欲・意識そして行動に一つの動機を与える。
青柳さんはコンデンサー型のスピーカー・アコースタットで中世期のバロック音楽を聴かれている。音量はもちろん控え目、チェンバロの音色や古楽器の弦の響きの質感を重視されているとのこと。JAZZは全く聴かないそうだ。私とはある意味対極的な立場の方である。強いて共通項を探すとすれば「音楽が好き」という一点だけかも知れない。そうそう、愛用のカートリッジがMCHUとTITANってところも共通しているか。
JBLでJAZZを大音量で聴かれることは余りないのではないかと思う。至近距離ながらJBL4348のまとまりのある音に感心されていた。傍からは気持ちよさそうにJAZZのリズムに乗っておられるように見受けられた。。今度は私が訪問してバロック音楽の質感の良さに感心させられる番だ。

(青柳さんの装置の概要はステレオサウンド誌153参照。
蓄音機や古いオルゴールの蒐集にも目がない。)

青柳さんは普段こんなレコードを聴かれている。美人チェンバロ奏者 Emer Buckley
「長岡鉄男の外盤A級セレクション」に採り上げられてから、
市場ではほとんど見かけることがなくなった。私も含めて、人間は権威に弱い。
6/11
【ツェッペリンと生豆】

ほぼ2ヶ月前豆友,のにしだやさんがいらした時、ツェッペリンのレコードを忘れていかれた。いや、わざと置いていったのかも知れない。このレコードがもう少しまともに鳴るように調整しなさいと。
レコード残置には伏線がある。今年の冬、にしだやさんがチェリーさんやよっちさん達とお見えになった。その折り、我が家のシステムではブリティッシュロックが情けないほど鳴らなかった。特にランサーではチェリーさん曰く「根本的にどこか病んだ音」と酷評された。JAZZでは結構いい雰囲気を出していたのだが.....
私は決してM男ではないので、痛めつけられる事に快感を覚えない。くそぉ〜と思ったものの、事実LUXの300Bシングルではガツンとくるような芯のある音は出ていなかった。おしなべて音が柔らかく立ち上がり・下がりがゆるい音だった。弦楽器などをふくよかに鳴らすには向いていたが、ドスッとくるバスドラなどは苦手であった。
自分が不満に思っていた部分を指摘されて、逆に自分の耳に自信を持った。他の人にも同じように聴こえるのかと。何をもって「病んだ音」と表現したのかは分からないが、とにかく自分で聴いていてもどことなく変な音であったことは間違いない。このOFF会を契機に、アンプを変えたりセッティングを見直したりと試行錯誤が続き、最近ようやく自分でも満足のいく音になりつつある。
今日はOFF会ではなく、とある別件でにしだやさんご一行がおみえになった。訪問ついでにと、件のレコードを珈琲の生豆と引き替えに撤収されていかれた。まだロックは満足のいく音では鳴らないが、この数ヶ月ツェッペリンのレコードは良き物差しとして働いてくれた。今度は生豆を置いていかれた。焙煎のウデを上げろって事ですかね?

にしだやさんご一行(LEEさん にしだやさん K澤さん)
決して珈琲とチーズケーキを食べにいらしたのではない。
6/09
【アピトン角材】
ほぼ一年ぶりにお伺いしたジローさんのオーディオルームは足の踏み場も無いくらいCDやらLPが増えており、充実した音楽生活を送られていることを物語っていた。ハード類の変更は余り無いようだったが、GRADのフォノイコをオペアンプの交換等で改造され自分好みの音作りをされていた。自作のスピーカーシステムは中高域の抜けがよく、ジローさんの好きなボーカルものを心地よく鳴らしていた。
低音の改善が目下の目標で、床への振動対策を計画している、と話していた矢先に宅急便で荷物が届いた。小包を開けてみると、中からアピトンの角材が出てきた。手に持ってみると密度の詰まった木材でかなり重量がある。

因みに、アピトンは
| 用途 |
強く、耐久力もあるので主に重構造物用に使われる。防腐処理をして埠頭杭木、橋梁材、枕木など。さらにトラックや貨車のボディ材、床材、羽目板、柱、梁、梱包材、パレットなど用途は広い。 |
| 材質 |
木理はやや交錯、肌目は粗い。材は重硬で強い。樹脂分多くヤニがでるのと、シリカを含んでいることもあり、加工は困難。 |
という木材だそうだ。
この角材を組み合わせてスピーカーの下に敷き、床への振動をアイソレートしようという計画らしい。8本の角材は材質は同じでも微妙に重量が異なり、逆にこれが良い結果を生み出すかも知れない。ジローさんの挑戦はこれからも続く。事の成り行きはWebで拝見することとしましょう。


愛犬 フェアリー まるでぬいぐるみのよう ジローさんが可愛がるのも無理はない
【ジローさん】

仕事のからみで久しぶりにジローさんとお会いする。事務所で打ち合わせが終わると、「じゃー隠れ家に行きましょう!」 ミーティングの目的はビジネスだったのかプライベートだったのか?いや、しっかりと仕事はされており、6月末にはジローさんの素晴らしい作品が出来上がる予定である。
ここのところ色々な方にStingrayの音を聴いて頂いている。評価は非常に高い。ジローさんは自他共に認める辛口派であるが、それでもStingrayの音はかなり気に入られたご様子である。「音の粒子は決して小さいとはいえないが、快活で明瞭、特に人の声がよく抜けて温かみもある」 ジェニファー・ウォーンズの「The Well」を聴きながら「水を得た魚の如くよく鳴るね」と感心しておられた。

今ランサー101はJBL純正セットで鳴らしているが、自分の耳でもWE300Bで鳴らしていたときに比べ低域の制動力とパワー感が増していることを確認している。高域も追加のツイーターが要らないほどバランスよく鳴っている。ジローさんも現状のシステムの音は気に入られたようで、にんまりと笑っておられた。
6/07
【種さんのMFB】
夜も更けて、ご迷惑と知りつつ「さくらんぼ」の帰りに種さんのお宅に寄る。出迎えて頂いたのはとてもチャーミングなお母様。開口一番「私も秋吉さんのライブに行きたかったなあ」 残念がっていらした。お母様もJAZZ好きである。
7年前からパソコンを習い始め、今では株の取引をパソコンを駆使して行っていらっしゃる。リビングの19インチの液晶モニターには本日の株価のチャートが写し出されていた。四十の手習いなんて言葉があるが、お母様からすれば四十はヒヨコだな。七十をゆうに超えていらっしゃるが、手習いの域を超えた習熟度には「好奇心と情熱を持ち続けろ!」と叱咤されているようであった。
2階のオーディオルームに上がると、最初に目に飛び込んだのが、このやたらとつまみが多い測定器のような機械。日本オーディオのマイク方式音圧MFBアダプター【 MFB−2000 】である。これは「スピーカー振動板の前に音圧センサー(エレクトレットコンデンサーマイク)を設置し、その出力信号をパワーアンプにフイードバックすることによって、低音の領域で「MFB(モーショナルフイードバック)」させる装置だそうだ。事前情報は得ていたが、つまみが多く一見して扱いが難しそうに見える。

日本オーディオのWebを覗くと
効果は
1.加速度型の検出器(音圧センサー)なので、10dB〜20dBのフイードバック量により、低音の領域を驚異的に広げます。
2.フイードバックの量だけ低音の歪みを減少します。
3.過渡特性が改善され、立上がり、立下がり特性が向上します。
4.低音の歪みが減少すると、中音、高音の領域を汚染していた「低音の歪み成分」が減少し、中・高音の純度がよくなります。
との説明がある。そこで早速音を聴かせてもらった。
いつも聴き慣れているBILL EVANS / WALTZ FOR DEBBY、スコット・ラファロのベースの音が堅く締まり躍動感が増して聴こえる。一番感心したことは後引きのないドス ドスッというバスドラの音だ。低域でのアタック感がとても気持ちいい。ウーファーのコーン紙を見てみると、大音量を出しながらもほとんど揺れていない。歯切れの良さは目でも確認できた。低域が引き締まると中高音の濁りも改善されてとても澄んで聴こえる。
面白いことにウーファーに向かってフーっと息をを吹きかけるとフワフワと大きく揺れる。しかし、アンプのボリュームを上げて低音を出してもほとんど揺れない。が、腹にはドスンっと音圧を感じる。如何にMFBがアンプからの不要な振動を吸収しているかが分かる。この音は非常に私好みで気に入った。JBL4348のバスレフポートを塞いで、このMFB-200を導入しちゃおうかな。日本オーディオでは貸し出しサービスもやっているようなので、試してみる価値は十分にある。


ウーファーは200リットルの密閉箱に取り付けたALTECの515B。音圧センサーを自作の固定角材でウーファーの前に取り付けている。

左手には あれ?Studiok’sで見たような真空管の測定器。右手にはSDサウンドi-1のプロトタイプのOTLアンプ。他にも珍しい811を使った真空管アンプが置いてあった。種さんのお宅は一年ぶりの訪問だったが、MFB-200の導入により密度感のある厚い音を堪能出来た。

【さくらんぼin秋吉敏子】
最近、かぶりつきで聴くライブが多い。新橋サムデイでは木幡光邦率いるKUNIZO BIG BANDを最前列、佐藤達哉さんの目の前に座る。ビッグバンドを最前列で聴くのは、さぞ音のまとまりがないと思われる人も多いと思う。ところがどっこい最前列はPAの音も耳に入らず意外と柔らかい音で、しかも思ったほど音が散漫ではなかった。生音はホーンの中に頭を突っ込むならいざ知らず、直近で聴いてもうるさくはない。これは案外穴場のポジションかも知れない。
先日の神田岩本町の東京TUCではケニー・バロンとベニー・グリーンのピアノのソロライブを同じく最前列ピアノの真ん前で聴いた。この時は午後2時から9時前まで聴き通しだったので、さすがに疲れた。それでもケニー・バロンのセカンドステージくらいまでは、音楽的興味と興奮とで集中力は持続しており楽しく聴けた。多分疲れたこともあったのだろう、ベニー・グリーンの演奏がカクテル・ピアノチックに聴こえてしまったのは残念だった。
で、今夜はかぶりつきもかぶりつき、ピアノの中に頭が入らんばかりの至近距離で、世界の「秋吉敏子」の生音を聴かせてもらった。これも地元の種さんが普段から「さくらんぼ」のオーナー ジョージ・岡田さんと親交が厚いことの賜である。秋吉さんの真ん前、特等席を用意して頂いた。種さんに感謝。

演奏は「秋吉敏子」」の名を世界に知らしめた、かの「ロング・イエロー・ロード」から始まり、独特のリズム感に支えられたアップテンポの曲が続く。バラード曲「星に願いを」も、綺麗なだけの何処ぞのカクテル・ピアニストとは次元の違う演奏で、秋吉さんの明確な「個」が滲み溢れていた。オーケストラ用に作曲した曲をピアノソロで初演奏したり、ヨーロッパ遠征旅行の苦労話を交え、或いはバド・パウエルのエピソードを面白おかしく紹介したりと、飽きることのない2時間余りだった。
師バド・パウエルの曲「ウン・ ポコ・ローコ」に至っては、大変失礼ながら全く年齢を感じさせない力強いタッチと気迫に圧倒されてしまった。因みに「UN POCO LOCO」とは音楽的に直訳すると「少し 元の場所(オクターブ違った位置で演奏しているの戻す」記号らしい。秋吉さんはこれを左手人差し指で頭の周りをくるくる回しながら「イカレているってことよね.....」と笑いながら話す。要はパッパラパーっていう意味ですかね。しかしながら、演奏はパウエルが乗り移ったかの如く神気迫るものであった。

孤軍
奇しくも今夜は岡田さんの奥様の誕生日。岡田さん、本職のバストローンボーンを取り出し、秋吉さんとデュオで♪ハッピ・バースデイ・トウ・ユー♪を演奏する一幕もあった。ツバキが飛んできそうな距離で聴く二人の演奏は、しっかりと目と脳裏に焼き付き、いつまでも忘れることはないであろう。
6/06
【リニューアル afutura邸】
酔った勢いも手伝って、バイアンプ仕様になったO崎の兄貴の家になだれ込む。
町屋のイタメシ屋「クリーク」で食事をしていたら、「北千住は隣町、そういえばO崎さんは如何お過ごしか」という話題になり、呼び出すことになった。神保町辺りで古本漁りをしていたと言うO崎さん、「帰り道なので合流するよ」と言うことで、我々酔っぱらいグループに一人素面で参加した。完全に出来上がっている我々は、他人の迷惑も顧みず音を聴かせろとO崎さんに迫る。
駆けつけ2杯の酒と僅かばかりの残り物の料理を口にした後、「それじゃあちょっと先に失礼してアンプ暖めておくわ」とO崎さんは一足先に店を出る。酔っぱらい相手でも、自分の音を聴いてもらうにはベストを尽くす。オーディオマニアの鏡だねえO崎のアニキ、あんたはエ ラ イ!
千鳥足三人組は北千住の駅を降り、O崎さん宅目指して微かな記憶を頼りに右へ左へと夜の千住界隈を徘徊する。多分こっちだろうと、思いっきり反対方向に向かって歩いていたら、いつまでも経ってもたどり着かない我々の身を案じてか、タイミング良くO崎さんから電話がかかる。「だから10m歩いたら右といったじゃないですか」 駅まで戻りご指示通りに角を曲がってようやくO崎さんちにたどり着く。
最後のだめ押し、グラッパをかっくらったアンちゃんはO崎さんちに着くやいなや意識不明に陥り完全にダウン。そのまま最後まで寝込んでいた。
私はというと、O崎さんちに上がり込むや辺りを見回し驚嘆。いや〜驚くほどに綺麗に整理整頓されたO崎さん宅、どうしちゃったのかと執拗に訳をきいても涼しい顔で「まあね」のひと言。それは見事にリニューアルされておりました。リスニングポジションの右側の壁(襖)も取り除かれ、バックスペースの容量もかなり増えていた。バイアンプ仕様以前に、スペースが広がり物が整然と置かれて、しかもゴミ一つないお部屋に凄みを感じてしまった。音楽&オーディオ生活の匂いがプンプンしていた。
 
音はどうかというと、よく分からない。大体が失礼なんだな、夜中に酔っぱらって上がり込み音聴かせろなんて事が。しかしO崎の兄貴は出来た人物で、そんな酔っぱらい相手にも次々とCDをかけてくれる。ソニー・クリスのサマータイムをリクエストすると、これが結構大音量で鳴らしてくれたので、ご近所の迷惑にならないものかと心配になった。思わず私の方がボリュームを絞ったくらいだ。〆の音楽はビギンの「恋しくて」 いや〜酔っぱらいの耳にもスピード感のある音離れのいい音場空間を聴くことが出来た。
バイアンプ仕様やケーブル作戦もさることながら、O崎さんちはGondul導入に向けて着々と準備が進んでいた。「ここにGondulが入ればこれ一台で片が付く。VSA-AX10i&DV-S858Ai&WADIA15iもまとめて要らなくなり、シンプルかつハイグレードなAVシステムが出来上がり ちゃんちゃん♪」 O崎さんすっかりGondul導入後のイメージが出来上がっていた。あとは寝て待つだけ だとか。

6/4
【Vdisk】
岡さんのお宅に遊びに行く。今年で何回目だろうか。行くたびに頭をガツンと殴られた思いになる。岡さんはかつて西新宿で「コレクターズ」というJAZZの中古レコード店をやっておられた。岡さんとはレコードというよりランサー繋がりである。
以前私がランサーを鳴らし始めているという話を聞きつけ、我が家にふらっと遊びにいらした。「こりゃうちのランサーの方が断然いい音を出してるね」といきなりのカウンターパンチをもらった。おまけに音のいいオリジナル盤を持ってこられて、「どうだ 音楽聴くならこういう情報のぎっしり詰まった本物を聴いてほしいね」と。そりゃ 元レコード店のオーナー、はなっから勝負にもなりやしない。
そんな出会いから、私も少しでもランサーから熱い音を出してやろうと闘志を燃やした。で、岡さんのお宅に何度かお邪魔して、不遜にもその技を盗もうとするのだが、所詮こちらはずぶの藤四郎。格も年季も違いすぎる。技を盗もうなんていう根性がそもそも不純で邪心に満ちあふれている。ここは素直に師と仰ぎ教えを請うにこしたことはない。

岡さんのランサー101
そのランサーだが、2ヶ月前にお伺いしたときと音がかなり変わっていた。前回訪問時は長年使っていたランサーのユニットLE14Aのエッジが大分痛んでいた。確かに70年代以降のフュージョン系のレコードはうまくならないと仰り、実際その当時のレコードはかけなかった。私がお伺いした直後にユニット全体を交換されたそうだ。現在エージングもかなり進みこなれた音になりつつある。現代スピーカーのように、どの年代のレコードを聴いても破綻のない優等生的な鳴り方である。
岡さん曰く「使用状況にもよるが、エッジだけを交換してもユニット本来の音になるとは限らない。エッジの老朽化とともにダンパーやボイスコイル周りも同時進行で痛んでいるケースもある。その辺は実際音を聴きながら判断せざるを得ない」と。
 

今回はSP愛好家のYさんも同席し、新生ランサー101でたっぷりとSPレコードを聴かせて頂く。
昔アメリカの兵隊さんの為に録音したVdiskやらBrunswickというレーベルの珍しいレコードなどなど。中でも圧巻だったのは、ルイ・アームストロングが1928年に録音した 「Louis Armstrong & His Orchestra/Savoy Ballroom FiveBasin Street Blues」。
オーディオ的に音が良いとか悪いとかとか口にすること自体陳腐で次元が低く思えてしまう。何とも体が熱くなる。この音楽の浸透力はどこから来るのだろうか。体中に電気が走る。折しも外では落雷が鳴り響き激しい雨が降り始めていた。
【Stingray試聴会】

片桐さんが森さんという熱心なオーディオ(音楽)愛好家の方を連れて来られた。MANLEYのStingrayを直接聴いてみたいと仰る。たまたまパワーアンプの一台が壊れたので、マルチアンプ駆動を止めて4348をシングルアンプで鳴らしていた。パワーアンプをStingrayに切り替えるのは簡単だった。考えてみれば輸入代理店の片桐さんもStingrayとJBL4348の組み合わせで音を聴くのは始めてである。これは良い機会だった。
Stingrayは6BQ5という可愛らしい球を使っているにもかかわらず、JBL4348を朗々と鳴らしきる。10畳程度の部屋ではピークが出る前に部屋の方が飽和してしまう。管球王国の36号やMJ誌の3月号にその回路の技術的な記載があるが、私には回路の事はさっぱり分からない。
プレート電圧を515V、アイドリング電流を25mAに調整し、AB2級で動作する珍しい回路設計だという。
音色は正にアメリカンサウンドと言う感じだ。カントリーウエスタンのボーカルは抜けが良く、アコースティックギターも乾いた音を立ち上がりよくハイスピードに鳴らす。エミルー・ハリスやナンシー・グリフィスの歌など、設計者がこんな音を元気よく鳴らすために作ったのではないかと思うほど良くはまる。

6/02
【救いの神】
だいぶ前からパソコンの調子が悪かった。画像処理の途中でいきなりモニターがプッツンして消えてしまう。ビルダーでの作業中に頻繁に起きるようになった。何の前ぶれもなくいきなりモニターに信号が行かなくなる。作業中のデーターは保存の暇もなく敢えなくおしゃか。何日か前にとうとうPCのスイッチを入れても起動直後にモニターの画面が消えてしまうようになった。WindowsXPのせいかハードのせいか、原因が分からずお手上げ状態だった。お陰でPCを開かない日々が続いた。
そんな折り、高の字さんが遊びに来られたので対処法を聞いてみた。高の字さんは現在その手のプロフェッショナル。最近MCDST(マイクロソフト認定ディスクトップテクニシャン)の資格を取られたという。経過と症状を話すと、順を追って対処の仕方を教えてくれた。Safeモードで立ち上げWindowsXP自体が損傷しているかを確認し、異常がなければグラフィック(ビデオ)カードを疑ってごらんと仰る。
早速指示通り手順を追って試してみた。オンボードからの信号はモニターに入っていたので、どうやら疑わしきはグラフィックカードのようである。とりあえずヨドバシカメラに出向きグラフィックカードを物色。まあここでもハード類の価格破壊にはいつもながら驚かされた。別に3Dゲームや高度な画像処理をする訳ではなく、DVI出力が使えれば事足りるので高価なものはいらない。それでも5,000円ちょっとで私にはオーバースペックの高機能なグラフィックカードが手に入った。
カードを交換してPCのスイッチON。スルスルとPCが立ち上がり、DVDを見ても画像を処理しても、もはやモニターが消えることはなくなった。めでたしめでたし。持つべきものは友なり。高の字さんありがとうございました。

6/01
【角の取れない直線美】
体は音を表す。実に綺麗なSG520が我が家で気を吐いている。綺麗なばかりではない。スライドボリュームをスーッと上げていくと、それに呼応して滑らかに音量が上がる。ガリ一つ出ない。プッシュボタンを押す。ガチリと音がしてパネルの奥にグイッとくい込む。この沈み込みの感触が何ともいえない。昨今の切り替わったかどうか感覚的に分からないタッチパネルスイッチとは別世界の代物だ。
メンテナンスが実によく行き届いている。オリジナルのスライドボリュームを始めとして操作系の不具合は一切ない。筐体を開けていないので、コンデンサー類の交換歴は不明であるが、出てきた音はSE400Sとの相乗効果か、実にスカッとした歯切れのいい音である。正に(行ったことはないが-笑)カルフォルニアの碧空を思わせる。日本流に言えば 天高く、透き通るような10月の秋空 ってところか。曖昧さはない。音の形容に丸みとか直線的という感覚的な表現が許されるなら、紛れもなく鋭角な尖った音である。175DLHにツィーターを上乗せする必要など感じさせない。

【オッタマゲ・マーク 三役揃い踏み】

JBLの純正組み合わせで音楽を聴く。昨今若貴兄弟の不仲がとりだたされているが、血の濃さゆえのぶつかり合いか。 こちらの兄弟は反目することなく、お互いの長所が相乗効果で好結果を出している。実に濃い音だ。いずれも40年近く経った製品群だが、出てきた音に古さを感じさせない。

ここまでくれば、出口は変えられないが、入り口は一度はこれを使ってみない訳にはいかない。

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