【クラングフィルムとオイロダイン】
ヨーロッパの劇場ではオイロダインが主流だったそうだ。映画館や劇場のスピーカーシステムといえばウエスタンがすぐ頭に浮かぶが、それはあくまでもアメリカでのこと。「真空管にしろスピーカーにしろドイツのシーメンスがその世界のパイオニアですよ。その音を聴かせてあげましょう。」
久しぶりに訪問した石川さんのお宅は「あれ?」と思うほど小奇麗に片付いていた。以前は足の踏み場もないくらい骨董品の壷やフィールドスピーカーはたまたレコードが部屋に充満していたが、すんなりとリスニングポイントのソファーに向かって腰掛けることができるくらいに物が無くなっていた。といってもそれは以前に比べてのこと。一般的には趣味のいい大人のおもちゃ箱であることには変わりない。

メインのJBLD130フロントローディングダブルウーファー4550とWE555のドライバーシステムは健在だし、自作真空管アンプやヴィンテージ物のアンプ類はラックや棚に溢れんばかりに収納されている。なかでも一際目を奪われるのが真っ黒いボックス。それも正面と横に一組ずつ。これが本日のメインディッシュ オイロダインとクラングフィルム。


6/29
【SPレコード】
不義理をしてなかなか顔を出せなかった野本さんの店(御茶ノ水バードネスト)に行く。磁器瑠博士こと種さんがきっかけを作ってくれていたお陰で、野本さんも「しょーがねえなあ」と一瞬怒りながらも、暫くしてカウンターの中から灰皿を出してくれた。レコードショップで珈琲を飲みながらタバコ吸えるなんて所は日本広しといえども滅多にはないだろう。人との会話の中で物を買う。ネット売買が主流になりつつある昨今、売り買いの原型には、安堵と安らぎを覚える。
C.ベイシー&カンサス・シティ・セヴン のモノラルのオリジナル盤やM.デイビスのブルー・ヘイズのプレステッジ・セカンド盤などを購入。岡さんの所でブルー・ヘイズのSP盤に腰を抜かした話などをしていると、野本さんカウンターの中からニヤニヤしながら一枚のSPを出してききた。「ブルー・ヘイズに腰を抜かすのは分かるけど、こっちも同じくらい強烈ですよ。ダイヤルのパーカー」
SP後期の盤でシェラック盤ではなく、ビニール盤、しかも状態がすこぶるいい。SP特有のシャリシャリ音や針傷がなくピカピカ、おまけに音がたまげるほどいいときている。パーカーのアルトは言うに及ばずマイルスのペットも生々しい。おまけに太鼓はパンパンと弾けてエネルギー感がモロに伝わってくる。
帰りがけにユニオンに走り、DENONの102SDを買ってしまった。遅すぎたSP元年になった。

ここでもFR64Sが大活躍。針圧11gをストレートで印加できる。11gでも問題なくトレースしSP特有のエネルギー感を楽しめた。


LP盤の「KLACTOVEEDSEDSTENE」はON DIALのVol.5に入っている。SP盤と聴き比べると何とも弱弱しい音である。この再発LP盤の功罪は大きい。記録としての価値、スコアーのコピー用としてはそれなりに意味はあると思うが、音はお世辞にもいいとはいえない。ラヂオの音である。生まれて初めてパーカーをこのLPで聴いた人は、パーカーの素晴らしさを発見できずに去って行った事だろう。いや今から30年前、このON DIAL盤の全集を買った私は、我慢しながら、修行のような気持ちで聴いていた。半分逃げ出していた。
その当時、今日聴いたSP盤を聴いていたら、パーカーへの想いは相当変わっていたことだろう。

6/28
【マッキンとレビンソン】

ここ1ヶ月くらいJBLのSG520で聴いていたが、我が家のリファレンスML-1Lに戻してMC240を聴いてみた。この組み合わせは、一聴して音がぶ厚く聴こえる。透明感や高域の伸びは抑えられるが、中域から低域にかけて非常に押し出しの強いコッテリとした音が楽しめる。ランサーの特徴、音の粗さが助長され、もめん豆腐のようなざっくりとした大粒の音だ。決してツルンとしていない。低域(といっても60Hz前後の体感しやすい帯域だが)のエネルギー感が持ち上がり、土石流のように一気に流れ出す
聴く音楽によってはざっくりとした大雑把な音ながらも中域の艶は格別である。
6/27
【電源周りのチューニング】

チューニング前の様子
片桐さんの力強い後押しのお陰で山が動いた。直接チューニングを頼んでも、恐らくは却下されていたと思うので、人との縁・出会いに感謝している。
今回、とある方にチューニングをお願いしたのは、専ら電源環境の電磁波・高周波対策である。隠れ家は雑居ビルの一室のため電源環境は決していいとはいえない。2階3階にコンピューター関連の会社も入っている。
昨年エレキングさんにお願いして二次側の配線をオーディオ専用に引いて頂き、その効果の程に大変満足していた。あと気になっていたのは分電盤周りのチューニングだけであった。
そのチューニングの内容は主幹ブレーカーから漏電遮断ブレーカーを通して子ブレーカーまでの配線材の交換・バスバーの交換・電磁波対策済みブレーカーへの交換・特殊コンデンサー&電磁波吸収シートの着装による電磁波対策といったところである。(二次側の工事とはいえ、もちろん工事は有資格者でなければ行ってはいけない。)

チューニング後の音の変化には居合わせた4人が4人とも驚いた。えてしてこういうチューニング後は、心理的に激しい思い込みが働く。良い方へ変化して欲しいと願う余り、本当はぜんぜん変わっていないのにもかかわらず、変わったような気になるものである。
ところが、今回のチューニングは明らかな音の変化を伴った。低域の出方が非常にスムーズになり量感が増した。その下支えがしっかりしてきたせいか、全体的に音の広がり感が増し、またふわっとした空気感の様なものが再現されるようになった。かのJBL4348でさえもが。中高域の音の抜けも良くなり、スピーカー周りに音がへばり付かない。音離れがいいというのか、とにかく音が前に飛び出してくる。
これは主幹ブレーカー以降の接続を伝導率の高い配線材に交換したことによる効果であろう。電流がストレスなく一気に流れて来るので音のエネルギー感も向上するのではないだろうか。壁コン以降のケーブルをいろいろと変えるより遥かに音質向上の効果は高いと思った。なによりもコスト/パフォーマンスは郡を抜いて高い。
現に私もご他聞にもれずACケーブルでは散々遊ばせてもらった。直近ではPADのドミナスやNBSのSTATEMENT-Vなどの高価なケーブルも実際に使ってみたが、今回のチューニングほど私好みの音質変化には至らなかった。いや今回のチューニングで初めてドミナスやステートメントの効果が発揮される電源環境の土俵に上ったのかもしれない。
オーディオ機器にとっては上流も上流、専用電源ケーブル施工の上をいく大元のチューニングは下流の全てを支配する。水は低きに流れる。大元が汚れていたり病んでいたのでは、下流が良くなるわけがない。
二次側では今回のチューニングが限界で、電源環境であと手を付けるとすればそれこそ東京電力に専用の柱上トランスを施工してもらうことぐらいだろう。雑居ビルではキュービクル式高圧受配電設備による給電のためそれも不可能である。現実的には二次側で最善策を取らざるを得ない。
今回のチューニングのもう一つの柱電磁波・高周波対策。これは電子工学的には理屈通りの結果なのだろうが、素人にはその辺のからくりは分からない。ただ電磁波・高周波対策の効果であろうか、結果的には聴感上全体のノイズフロアーが下がり、S/N比が向上し、消えいく様な微細なピアニシモの音も綺麗に減衰しているのが分かる。
エージングに少なくても一週間程度はかかるという。直後でこの変わりようだとしたら、一週間後にはどんな音になってしまうのか。末恐ろしい。変化を楽しみつつ音色のバランス調整に暫くは翻弄されるであろう。
6/26
【任三郎さんとカゲトラさんとクマさんと日本酒.】
相互訪問による定点観測的なオフ会も、会を重ねるたびにその中身も変化する。もちろんお互いのシステムを聴きながら音楽を楽しむのだが、初対面の緊張もなく、かといって馴れ合いになるほど崩れなく、いい塩梅で濃密な時間をすごすことができる。定点観測では数ヶ月の時間経過で音がどのように変化したのかを確認してもらえる。この数ヶ月のスパンと他人の耳というファクターは、自分のシステムを客観的に眺めるひとつの指標だと思っている。
また持ち込まれた未知のソフトとの出会いの中で自分のシステムの得意・不得意な部分が炙り出される。自分では決して買うことのないハードロック系やニューエイジ系のソフトを通して、システムが戸惑う様子を聴くのも、いささか自虐的ではあるが楽しいものである。そこには常に新たな発見がある。
カゲトラさんはシステムは全く異なるが、出口はJBLのS9800を常用されているので、4348との違いを瞬時に指摘される。任三郎さんは全てにおいて異なるので、その寸評はとても興味深い。クマさんは初参加しかも女性の耳なのでその意見は新鮮である。
お互い気心が知れているので、数時間もすると「眉間にしわ寄せ」試聴は失せて、ややリラックスモードへ。たまにはアルコールを飲みながらのオフ会もおつなもの。
高円寺唯一うまい珈琲店 Cafe' de lRipleyのマスターからお薦めの日本酒を紹介された。「数ある純米酒の中でも宮城県産「栗駒山」は特にすっきり系で雑味がなく、オンザロックで飲むとその口当たりの良さでいくらでも喉を通る。」とのこと。 お三方に試飲して頂いた。
評価は◎のようでした。
その後がいけませんでした。どうも私はアルコールが入ると、時として別のスイッチが入るようである。

今回は電話掛けまくりスイッチがONになり、いろいろな方にご迷惑をおかけしました。この場を借りてお詫びします。 m(@´_`@)m
6/25
【初めての交換】
ロングライフを謳っているZIAの真空管式アナログ変換部。購入からか4年以上経過し、この間若干の間断はあったものの基本的には電源は入れっぱなしだった。発熱はかなりある。それにもかかわらず、真空管の劣化による音質低下は聴き取れなかった。球を交換しなくてもまだまだ使える。相変わらず中低域に独特の艶とエネルギー感のある骨太サウンドを聴かせてくれる。JAZZとZIA、いい組み合わせである。


今回MC240の初段管の交換により音が変化したことをきっかけに、ZIAの球も交換してみようと思った。音質の劣化は感じないものの、球の交換によりどのような変化があるのか興味が沸く。オリジナルの球はロシア製SOVTECのECC83(JAN6922)がついている。これを英国Mullardに交換する。

出口のスピーカーが高解像度系ではないこともあってか、球の交換による差は余り大きくはなかった。僅かながら音の輪郭が明瞭になり高域の伸びも確認できたが極端な差はない。交換直後でエージング不足ということもあるかもしれない。暫くは様子見ということになる。

6/24
【ダイアマーク】

GEと交換したTELEFUNKENのECC83 別称「ダイア・マークのペケセブン」


内部の画像へ
6/23
【真空管の破裂】

恐らく運搬の際、真空管が何かにぶつかり端子が曲がってしまったのだろう。MC240の初段管「12AX7A」
曲がった端子の隙間から空気が入ったものと思われる。それに気づかず聴いていたら、突然パッと閃光が走り、アンプの電源が落ちてしまった。一瞬何事が起きたか分からず混乱してしまった。MC240をよく見ると、一本だけガラスに亀裂が入り真っ白になった真空管がある。抜いてみると端子が曲がっていた。
内部のヒューズをを取替え、真空管もこの際GE製から別の球に差し替えてみた。
6/22
【強引?なチューニング】
「セミが頭の後ろの方まで飛んできちゃいました。」
スピーカーのセッティングを変えたら、エフェクトの効果がより鮮明に確認できるようになり、上記のようなメールを頂いた。当初はスピーカーに付属しているはずのスパイクが見つからず、スパイクなしのベタ置き状態で鳴らしていたという。スピーカーのぐらつきもあってか、音は今ひとつだったようだ。
そこで知人が持ってきたBDRのコーンとピッツで足元を固定してみると、音像がシャープになり位相も正確に定位するようになったとのこと。


変化の過程

スピーカー:TESLA アンプ: CA−JOULE ERECTRA PA−SPECTRA
CD:ビクターXL−Z999 AD: LP12 LINTO カートリッジ: MCジュビリー
6/21
【トランス】

所沢の「ウエスタンラボ」に行ったついでに、土産としてウエスタンラボオリジナルの昇電トランスフォーマーを買ってきた。100Vを115Vに変換するタイプである。形は従来使っていたTOEIのSU-6のトランスとよく似ている。店主宮岡さんの話によると中の銅線に特殊な物を使っているという。そのせいではないと思うが、店ではこのトランスに繋がったMC275&C11のコンビでJBLのハーツフィールドが美音を響かせていた。
それはさておき、容量の大きいトランスに交換したかったので、いいタイミングだった。1.5KVAの容量がある。消費電力300WのMC240を繋ぐには十分である。テスターで電圧を測ってみると、我が家では118.3Vに昇圧されていた。ほぼギャランティ通り。早速通電してMC240に繋いでみた。
TOEIのトランスト比べて顕著な音の変化は感じられない。心持ち低域の力感が増したような気がする。飽くまでも「気がする」程度の範疇である。但しトランス本体に触れても、容量の少なかったTOEIのトランスに比べて発熱が全くない。これが精神的にも大きな収穫であった。

6/20
【キッチュ】
ドイツ語で、「まがいもの」「まやかしもの」「俗悪」といった意味で、通俗的で低俗、ごてごてした悪趣味なモノの総称。
この言葉は、優雅、上品、洗練されたモノの対極であり、日用品からファッション、建築、デザイン、インテリアなどにまで及ぶことが多く、過剰な装飾や、けばけばしい色彩や安っぽい素材が共通点といえる。また、機能優先主義なモダンデザインを良いモノというとき、キッチュは悪いモノであり、機能的に充足したデザインに貼り付く「大衆的な嗜好」と受け取る場合もある。
日本の文化に置き換えた場合、福助人形、大漁旗、羽子板、凧絵、熊手、シンコ細工など、日本伝統の中で生き続けているモノがキッチュといえる。ただし、そのようなキッチュを愛する人間的な側面を無視したとき、なぜかむなしさだけが残る不思議な感性がそこには存在している。ドイツのアドルフ・ヒットラー(Adolf
Hitler)の行為やプロパガンダをキッチュの巣窟であると指摘する評論家もいる。(資料提供:講談社フェーマススクールズ)
だいぶ前からリッキー・リー・ジョーンズの「POP POP」」のアナログレコードを探していた。CDは今でも流通しているので市場での入手は簡単である。ところが、1991年にAlto
Analogue 社から発売された高音質重量盤はなかなか手に入りにくい。中古レコードショップをこまめに廻り探していたがお目にかかれなかった。YahooのオークションはおろかeBAYでもWANTEDばかり目立ち、出品はほとんどなかった。
なんでアナログレコードの[POP POP」か?音がいいことも勿論ある。CDと比べてリッキーの声がより一段病的に聴こえる。またバックでギターを弾いているロベン・フォードのカリッとしながらも柔らかさのある音色が、レコードだとより際立って聴こえる。
ジャケット・デザインがリーッキーの妙な歌声と相まって気になっていた。まるでデザインの少女がリッキーとダブって見えて不思議な
この時代性を感じさせるジャケット・デザインは台湾の爆竹の箱のパクリである。いやパクリというより「まんま」か。


箱の中身は爆竹
ポップ(ポピュラー音楽)とPOP(ポンとはじける)とをうまく掛け合わせたものだと、一人にんまり
6/19
【ALTEC820】

よだれを垂らして聴き入るDr.halkuroさん

A-5 A-7で名を上げたALTECが初の民生機用に開発した820A 1958年発売というからかれこれ50年近く経つ。こんな綺麗な形で温存されていた事自体が驚きである。初めて音を聴かせてもらった。パーンと弾けた乾いた音であった。質感の高いこの明るい音色にはぐらっときてしまった。
【悪人(笑)参上】
いつの間にかDAC→プリアンプ→チャンネル・デバイダー→パワーアンプとシステムがマークレビンソン色に染まっていた。CDトランスポートだけがP-0sということに不満を抱いているJsmokyさんが強行手段に出られた。
「ここまでレビンソンで決めているのなら、一度でいいからCDTもレビンソンを使ってみなさい!」
東村山からHTlabさんとレビンソンのCDTを運んで来た。
パワーアンプも修理から戻ってきたことだし、オールレビンソンの音を聴いてみるのも悪くはない。P-0sとレビンソンのフラグシップ機31.5との聴き比べが実現した。

デスコンになってから久しい31.5。マドリガル社はこれ以降CDトランスポートの開発を行っていない。メカの補修部品もメーカーでは在庫切れで、故障したら修理がきかないという貴重なトランスポートである。

我が家で初めてマークレビンソンの純正セット(30.6+31.5)でCDを鳴らしてみた。P-0Sとの音の違いに立ち合った皆が驚いた。デジタルの読みとり機にすぎないメカで、どうしてこうも音が違うのか。以前Studiok’sでもトランスポート比較試聴に立ち合った事がある(オーディオベーシック26)。その時も各機器の違いを立ち合った4人が4人とも指摘し、1 0 のデジタル信号でもトランスポートによって音の色づけがなされることを確認している。デジタルの世界でもアナログのカートリッジと同じように入力部分で音がが左右されてしまう。
聴き比べはDAコンバーターをレビンソンの30.6で行い、ソフトはジェニファー・ウォーンズの「TheWell」他JAZZのCD数枚。一曲聴き終わるごとにトランスポートを替えて4人で聴き比べた。
P-0s 実にモニターライクで正確にデジタル信号を読みとっている。音に曖昧さがなくシャープでエッジが立った鮮明な音である。日本人好みと言おうか、まじめで端正な音を聴かせてくれる。CDに刻まれている情報を脚色なしに忠実にピックアップしているという印象だ。
31.5 ひと言でいうと「音楽的」である。カラーレーションというか独自の音作りがされており、この音の魅力にはまったらP-0sでは物足りなさを感じるであろう。正確さよりも音楽を楽しく聴かせるスパイスが振りかけられている。ボーカルものでは人の声が肉感的で喉の奥から声が出ているように聴きとれる。温もりと湿り気が感じられ、いつまでも音楽そのもに浸っていたくなる。インストものでも各楽器の輪郭が軟調で潤いを感じる。
好き嫌いがはっきりでるに違いない。私は大いに気に入った。これは参った。

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