気まぐれ日記   

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 休止宣言をするでもなく、更新を止めてから随分と時間が経った。特別な事情があってHPの更新を止めた訳ではなかった。昨年の秋口から不定愁訴気味になり、少し休んで、気が向いたらまた何か書き込もうと思いながら、ずるずると時間ばかりが過ぎていった。

 病み上がりの体で出来ることと言ったら、たかが知れている。パソコンを開きながら、撮りためていた画像を整理してるうちに、また少しずつHPでも更新してみようかと言う気持ちになった。

 ということでボチボチ スローペースで絵日記の更新を始めることにしました。

 季節外れのB型インフルエンザに罹る直近まで遊んでいたのは、古いJBLのランサーというスピーカーを出来る限りベストに鳴らそうというものでした。「ランサーが鳴りたいようにならしてあげようプロジェクト」

 幸運にも非常に程度のいいJBL C56 DORIAN 通称Lancer101が手に入ったのは昨年の暮れの事だった。TYPE C56 と銘打っているように DORIANというのはエンクロージャーの型番のことを指す。発売当初の1965年頃、この箱にオプションで数種類のユニットを取り付けて売り出していたが、一番人気が高かった組み合わせがLE14A+LE175DLHで、これが後年Lancer101と呼ばれて製品のラインナップに加わった。

従って世の中にはこのLancer101と同じ顔をしながらも、組子格子を外すとD123がひょいと顔を覗かせるという代物もある。

1965年頃の製品だから、かれこれ40年になる。外観の状態は良くても機械物ゆえ相当劣化が進んでいると思われる。特に外観では判断できないユニットのダンパーやドライバーのダイヤフラム、ネットワーク部品などはどの程度劣化しているか不明である。実際に状態のいい現代スピーカーと聴き比べてみないと何ともいえない。
前のオーナーはアメリカで購入後ずっとアメリカで鳴らしていた。日本の気候と異なり湿度が低かったことや定期的にメンテナンスしていたとこともあって、外観はすこぶるいい状態だ。

このスピーカーの低域ユニットLE14Aはゴムのエッジを使っている。大体経年によりこのゴムエッジが硬化してひびが入ったり割れたりして使い物にならなくなる。前オーナーから引き継ぎの際、特殊液剤を渡され、定期的にこの薬剤をゴムエッジに塗布してゴムの硬化を防ぐ様に指示された。前オーナーも我が子を愛でるようにこの特殊液剤を塗布していたという。

巷ではウレタンや皮のエッジに交換して使っているのを見かける。果たしてユニットの特性に変化は無いのだろうか。いやゴムエッジが劣化しても、交換してでも使い続けたいという気にさせる魅力を秘めているのかも知れない。


エッジ部分を押し込むとムニュっと柔らかい反応が返ってくる。歳の頃二十代の柔肌。

状態が良いのはユニットばかりではなかった。ランサーを特徴づけているのは「組子」とよばれる木製の格子と天然大理石のトップだが、どちらも傷や欠け一つ無く、40年を越す時の経過を忘れさせる。ランサー初期型ではこのマーブルトップも本場イタリアの大理石を使っている。

組子とは、特殊なノミと小型カンナで彫り模様を入れた細木の桟を巧みに組み合わせて、幾何学的な紋様を作り出す日本の伝統的な手工芸である。記憶によれば、その昔サンスイのスピーカーのグリルに使われたのが初めてだったような気がする。和製の工芸がどうしてアメリカのスピーカーに使われたのか、当時JBLの輸入代理店だったサンイの影響があったことは容易に想像が付く。

オリエンタルブームがあったのか、はたまたその当時ステレオ装置が単なる音響製品にとどまることなく、それ自体が部屋の中で観賞にたえるファニチャーとしての位置づけがあったのかも知れない。とにもかくにも、このLancer101というスピーカー 音が出ていなくても個体としての存在感があり、独特の風格さえ漂わせている。音は二の次、こいつが部屋に在るだけでもいい、そんな気持ちにさせる不思議なスピーカーである。

ここでひつこく 組子の画像  じっと眺めていると色々な形に見えてくる 

音は二の次?いやとんでもない。このLancer101は鳴らし方によって変幻自在する、大いなる可能性を秘めたスピーカーであった。

最新のJBL4348がありながら、何で今更古〜いランサーなのか。これには少し訳があるのです。時間と興味のある方、病み上がり者の与太話に少しばかりお付き合い下さい。

ランサーL101が教えてくれたこと

JBL C-56 DORIAN(通称L101 ランサー)との出会いはかれこれ30年近く前になる。神田神保町にあったJAZZ喫茶「響」で始めてランサーL101の音を聴いた。

ランサーが当時トリオのプリメインアンプで鳴らされていようが、天井近くに吊されていようが、全く気にならなかった。そういうオーディオ的興味よりもむしろ流れてくる演奏そのものに興奮していた。聴くもの全てが新鮮で、一人の演奏者から次から次に(今風にいえばリンクが繋がり)新しい演奏者や曲に出逢えることが喜びであった。


当時から既にオーディオに対する興味はあったが、既製品は高額でとても学生の分際では買うことはできない。音質のことはさて置き、はっきり言ってどんなスピーカーだってよかった。JAZZのレコードがエネルギッシュに鳴っていればそれだけで十分満足できた。


スピーカーから流れてくる音楽に夢中だった。どんな曲がかかるのか、興味の対象は専らJAZZの演奏であった。シンバルやピアノの響きがどうの、ベースの鳴りがこうの、そんなことはほとんど気にならず、音楽そのものにのめり込んでいた。時代は正にコンテンポラリーなスタイルが衰退し、フリーそしてロックとの融合、クロスオーバー真っ盛りであったが、「響」では王道のJAZZを鳴らしていた。

この「響」には本当にお世話になった。演奏者の名前や演奏スタイル、曲名からアルバム、そして何よりJAZZの楽しさを教えてもらった。大学を卒業してからも6年余り何かにつけ「響」に通い、都合10年ほど入り浸りだったような気がする。時が流れ、仕事に追われ、いつしかJAZZやオーディオとの関わりが希薄になり、気が付いてみたら50歳近くになっていた。自分の好きだった事にもう一度向き合ってみよう、そう意識してから怒濤のようにオーディオや音楽に再びのめり込んだ。


そしてこの歳になり、再びランサーL101と向き合うことになる。そこにはノスタルジーと安っぽいセンチメンタルが同居していた。つまみ食いという程に不純な動機ではないが、一服の煙草のように、気持ちが落ち着く音に心が満たされる はずだった...


ところがである。鳴らねぇんだ、このランサーL101が!

自分の中途半端なウデではランサーL101が鳴りたいように鳴ってくれない。勿論、現代スピーカーのように上から下までフラットな周波数特性やダイナミックレンジの広さ・音場感・空気感などは、このスピーカーに求めてはいない。乾いた低域や部屋を揺さぶるような重低音、はたまた倍音の伸びきった爽やかな高音など、はなっから期待もしていない。

あんなちっぽけな箱に無理矢理14インチのウーハーを詰め込み、ドライバーの直裁的な放射パターンをスポイルするような重層穴あき鉄板ホーン(別名ちび蜂巣ホーン)では、常識的に見てもいい音がする訳がない。まして40年近く経った代物である。ゴムエッジはまだ柔らかいとはいえ、経年で確実に硬化が進んでおり、foは高くなり初期特性の維持は期待できない。

去年の夏以降JBL4348を簡易マルチアンプで鳴らすべく、33HLや20.5を導入し、チャンデバLNCのレベル合わせや本体のアッテーネーターのレベル調整に奔走した。測定器を使ったりイコライザーを使って、我が部屋の音響空間でのベストサウンドを模索した。その過程ではどうしても分析的・オーディオ的に音を聴く傾向になった。それはそれで楽しいのだが、気が付いてみると余り音楽そのものを楽しんでいなかった。JBL4348はよく出来たスピーカーである。しかし、4348に向かうとき、どうしてか分析的に聴こうとするスイッチがONになり、脳に一種フィルターがかかってしまう。

以前はもっと音楽そのものに浸れたのに、音そのものに神経が行く。物理特性の良さ=正しい音は、必ずしも自己の内なるイマジネーションを喚起させるとは限らない。
急にランサーの音が聴きたくなった。いやランサーで聴いていた時のように、音楽を楽しみたかった。だから必ずしもランサーでなければならないということではなかった。乱暴な言い方をすれば、音楽そのものが楽しめれば、オーディオ機器は何でも良かった。ただ自分には原体験としてランサーで過ごした楽しい想い出がある。それならば今一度原体験を追体験してみよう。

たまたま手の届くところにランサー101があった。しかも極上の。一服の清涼を求めて止まり木とするほど安価なモノではないし、第一名機の誉れ高い往年のスターに対して不謹慎極まりない。手に入れるのであれば、とことんシャブリ尽くして愛でてあげよう、それがJAZZの楽しさを教えてくれた出会いのスピーカーに対する感謝の気持ちである。

ランサーが我が家に来た時、初恋の恋人に再会したような照れくささと恥ずかしさで胸がキュンとなった。いきなり音なんか出せたものではない。10日近くも「見てるだけ〜」。はたまた撫でたり磨いたり。始めて音を出したのは正月休みに入ってからだった。

前オーナーがWEの300Bで鳴らしていたという。ならばはじめはランサーにストレスの無いように300Bで鳴らしてあげよう。折しも竹澤さんからメモリアルに残してあったというLUXMANの純正セットをお譲り頂いた。LUXMANのアンプ設計者上原晋氏が最後に設計したというCL36UとMB-300のセットである。さすがにUltimate Seriesの造りは豪華で使われている部品も贅沢である。



LUXMANの画像



ここからが、楽しくもあり苦しくもある「ランサーが鳴りたいようにならしてあげようプロジェクト」の出発点である。この先どんな展開になるのやら。

つづきはこちらから



4/09



【Nさんのランサー】

ひょんなことからNさんがサブでランサー101を使っていることを知った。今ランサー101に入れ込んでいる自分としては、他の人がどんな音で鳴らしているか、単純に野次馬根性的に興味がある。

そのランサーは5.1chのリアスピーカーとして使われていた。オリンパスの後方支援としてはこれ以上の組合せはないと思えるほど絵になっている。


ランサー101の親玉 オリンパスの音を聴かせて頂く。



【安西さんの新居】

昨年末、安西さんが家を建てた。なんの因果か偶然か、私の自宅から歩いて5分の所である。
オーディオルームは半地下、およそ16畳の洋間で天井高は2.8m。総漆喰壁で天井に仕掛けがありフラッターエコーは全く無い。レコードも片づき、部屋の湿気もだいぶ無くなってきた。目下の所部屋の響きをどうコントロールしていくかが課題だとニコニコ話している。



安西さん宅訪問



【高田渡さん】

今年になってKさんと何度かカラオケに行っている。中年オヤジが二人でカラオケ?余り絵にはならない。娘に言わせると「キモイ!」だが、Kさんの殺し文句「通信カラオケには高田渡の歌もあるぜ」の一言に軽い腰を上げた。

ギターの弾語りをやらなくなってもう何十年にもなる。高田渡さんのコピーが十八番だったが、ギターを弾かなくなってから、ぱったりと歌う機会が無くなった。半信半疑で誘われるままにカラオケに行くと、あるではないか高田渡さんの歌が。生活の柄 値上げ 自転車にのって...さすがに珈琲ブルースはなかったが。

ギターの伴奏でないと何だかよそよそしくてしっくり来なかったが、それでも何曲か歌ってみた。懐かしさに乾杯して歌いながら、ふと高田渡さんは今頃どうしているのかなあと思った。そんな事を思ったのがいけなかったのか、今朝高田渡さんの訃報をきいた。

甘っちょろい学生だった私は、対極に位置する渡さんに憧れた。高田渡さんは職業歌い手として、生涯自分の歌に責任を持ち続けてあの世へ旅立った。ご冥福をお祈りします。

4/16


【リーク】

 英国 リークのプリメインアンプを聴いてみた。昨年吉成さんのお宅で、これにLs3/5aを繋いで聴いた時も、その駆動力に驚いた。


さてさて、自宅ではどの程度の実力を発揮するやら。ランサーに繋いで聴いてみた。こりゃ たまげた音だ。低域の量感こそ少なめだが、中高域の音の張り・輪郭の明瞭さは、寝ていた音が起きたような印象だ。300Bではこうはいかない。

童子さんが「高域が鮮明でスーパーツィーターが要らなくなった。高級アンプを使うのがイヤになってしまった」と話していたが、確かに1960年代初頭の普及型アンプにこんな音を出されたら、オーディオの進化とは何だろうかと疑いたくもなる。 4月のある日


【マンレイショック】

JBL4348をマンレイのプリメインアンプ、スティングレイで初めて鳴らしてみた。6BQ5というミニチュア管を使っているが、これがどうしてどうして、蹴飛ばすような音を出す。真空管で50Wもの出力をギャランティし、JBL4348をゴリゴリと鳴らす。MI管に対する偏見が吹っ飛んだ。さすがに米国アブソリュート・サウンド誌でゴールデン・イヤー賞を受賞しただけのことがある。大音量でも破綻せず、常音ではJBL4348を制動しきっている。音色は明るく、特にボーカルの抜けがいい。見た目の可愛らしさからは想像しがたいパワーに少なからず衝撃を受けた。




【SOMEDAY】

種さんに誘われて金町の仙人グループ(仙人・カルロスさん・野中さん)とSOMEDAYに行く。木幡光邦 率いるKUNIZO BIG BANDのライブである。総勢18名からなるビッグバンドで久しぶりに音の洪水に身を任せた。PAの前方に陣取り生音を堪能した。

4/30


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